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光の創成操作と展開
研究者紹介

phase12006.10〜2010.3 phase3
青木 隆朗 芦原 聡  木下 俊哉 櫛引 俊宏 越野 和樹
田中 拓男        
 
     
 個人プロフィール

【 学歴 】

1991 年 京都大学理学部卒業
1996 年 京都大学理学研究科博士課程修了 理学博士。フランス・パリ高等師範学校 カスラー・ブロッセル研究所(量子流体部門)、ドイツ・マックスプランク量子光学研究所にてポスドク研究員。東大工学部 総合試験所 教務補佐員。
2001年11月〜 ペンシルバニア州立大物理学科 ポスドク研究員、さきがけ専任研究員。
2007年4月〜 京都大学大学院 人間・環境学研究科 物質相関論講座 准教授。

【 研究歴 】

フランス・パリ高等師範学校 カスラー・ブロッセル研究所(量子流体部門)、ドイツ・マックスプランク量子光学研究所にてポスドク研究員。東大工学部 総合試験所 教務補佐員、
2001 年 11 月からペンシルバニア州立大学物理学科 ポスドク研究員
2006 年 11 月〜 科学技術振興機構さきがけ研究者(研究室:ペンシルバニア州立大物理学科内)
2007 年 4 月〜 京都大学大学院 人間・環境学研究科 准教授

−主たる研究内容−
レーザー冷却、冷却原子を用いた物性研究
−趣味−
サッカー、読書(歴史、古代史関連)
 研究内容紹介
 固体内電子の制御を通してこれまでに数多くのデバイスが開発されてきました。主役の電子を原子に置き換え、その流れを制御することで生まれる原子デバイスは、次世代を切り開く新技術、アトムトロクスとして期待されています。情報を担う媒体として豊富な内部自由度を有する原子が使えること、しかも原子は光によって様々な量子制御・操作を直接施せるため、原子を用いた量子情報処理、量子シミュレーションの実現に向けた可能性が開け、精密測定を可能にする原子波干渉計を小型集積化できれば、ポータブルなデバイスとして、将来実社会にも大いに役立つことが期待できます。
 一方、光定在波の節または腹に量子縮退した気体を規則的に配列させた光格子は、系の性質を決定付ける全パラメーターを自在に制御できる新しい人工量子物質として注目されており、そこで発現する現象や物性の理解を目指した研究は近年目覚しい発展を遂げています(図1)。その成果の中には、各格子サイトへの単一原子の送り込みや原子集団、単一原子の動きの制御へと応用できるアイデアが含まれています。

光双極子トラップや光格子を組み合わせて構築した多重連結ポテンシャルは、原子のジョセフソン接合とみなせ、原子の流れを制御できるデバイス候補の一つです。フローの制御にはトンネル確率、セルフ・トラッピング現象や印加したバイアスなどが利用できます。さらに異なる内部状態や磁場による原子間相互作用の強弱を組み合わせて、極めて少ない原子数で非常に多くの原子集団の流れの制御が可能になれば、トランジスタ作用をもつ素子が実現できます(図2)。これは将来より複雑な原子回路を構築する上での重要なビルディングブロックになることでしょう。 また、デコヒーレンス時間が長く、非常にクリーンな光格子は、物質波の輸送にとっても優れた環境を提供します。例えば、周期ポテンシャル内の原子のブロッホ振動の精密観測が可能になり、2次元の光格子による1次元への閉じ込めは、ブライトソリトンの生成・伝播や原子波干渉計の導波路としても利用でき、超精密なセンサーなどへの応用の道が開けます。アトムトロニクスとしては、これまでアトムチップ上での原子のトラップや操作が研究の中心でした。本研究では光格子がもつ優れた利点を前面に押し出し、光格子内に送り込んだボーズ凝縮した原子気体の物性や多彩な現象の理解を深めながら、それをデバイスの基本動作原理へと応用していくことを目指します。

現在は、2007年4月に着任した京都大学において、上記研究の第一歩となる新しいBEC生成システムの立ち上げを行っている。

 

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