光・光量子科学技術はわが国がこれまで積み上げてきた高いポテンシャルを有する分野であり、さらなる優れた基礎的科学技術の創出により、技術のイノベーションや産業のパラダイムシフトを生み出すことが期待されています。個人研究「さきがけ」においては、さまざまな分野の個人研究者がその専門知識・技術を駆使し、長い歴史を持つ光科学に技術革新の契機を与えるような研究を進めてまいります。具体的には、光の発生・検知・制御と言う広い切り口で、新現象の解明を目指す基礎的研究から、素子やシステムの革新を追及する研究に至るまで、幅広く独創性の高いテーマで研究を展開していきます。
例えば、扱える光パルスの幅がナノ秒、ピコ秒からフェムト秒へと移り、さらにはアト秒も現実のものとなりつつある現状で、この高いエネルギー集中を用いた光の操作によりさまざまな新物理現象の発見が期待されています。また、それと並行して、光の操作・測定技術も新しい展開期を迎えるものと思われます。これらを対象とした研究から、新しい知見、新現象の発見、さらには、測定・操作技術の確立により、今まで出来なかったことを可能にする産業のイノベーションを引き起こす契機になる事が期待されます。
当研究領域では、各研究者が各々進めている研究が、将来どのような新しい科学・技術分野に展開できる可能性を持っているかを想い描き、研究を推進します。 |