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研究者紹介 二期生

伊関 峰生 岡野 俊行 梶川 浩太郎 勝藤 拓郎
香取 秀俊
上妻 幹男 杉山 和彦 高橋 雅英 橋本 秀樹
シュタルク・アトムチップによるコヒーレント原子操作
香取 秀俊
 (東京大学大学院工学系研究科 助教授)
 (東京大学工学部附属総合試験所 助教授)

 電子・光子に比べて、はるかに多彩な内部・外部自由度をもつ原子のコヒーレント制御技術は、アトムトロニクスともいうべき、新しい高度情報処理系を構築する可能性を秘めています。本研究では、ミクロンサイズの微小電極が作る強電場を用いた原子運動制御技術を開発し、さらに光による単一原子レベルでの電子状態制御を実現することで、アトムトロニクスにおける、電子・光技術とのインターフェース手法の確立を目指します。


主要論文
(1) Electric manipulation of spinless neutral atoms on a surface. Hidetoshi Katori and Tomoya Akatsuka, Jpn. J. Appl. Phys. 43, 358-361 (2004).
(2) Spectroscopy of the S-P Clock Transition of Sr in an Optical Lattice. Masao Takamoto and Hidetoshi Katori, Phys. Rev. Lett. 91, 223001-223004 (2003).
(3) Ultrastable Optical Clock with Neutral Atoms in an Engineered Light Shift Trap. Hidetoshi Katori, Masao Takamoto, V. G. Pal'chikov, and V. D. Ovsiannikov, Phys. Rev. Lett. 91, 173005-173008 (2003).
(4) Recoil-free spectroscopy of neutral Sr atoms in the Lamb-Dicke regime, Tetsuya Ido and Hidetoshi Katori, Phys. Rev. Lett. 91, 053001-053004 (2003).
(5) M. Takamoto, F.-L. Hong, R. Higashi, H. Katori, An Optical Lattice Clock, Nature, 435, 321-324 (2005).

受賞
(1) 2001年3月29日
社団法人 日本物理学会 第6回論文賞
受賞論文
表題:Optimal design of dipole potentials for efficient loading of Sr atoms
著者:Hidetoshi Katori, Tetsuya Ido, and Makoto Kuwata-Gonokami,
掲載誌:J. Phys. Soc. Jpn., 68, 2479-2482 (1999)
(2) 2001年3月13日
財団法人 丸文研究交流財団 丸文研究奨励賞
受賞理由:「アルカリ土類原子の極低温・高密度レーザー冷却法の開発」
(3) 2005年3月21日
2005年 European Frequency and Time Award
受賞理由:「For a brilliant break-through in the field of optical frequency standards」
(4) 2005年3月22日
第1回日本学術振興会賞
受賞理由:「光格子を用いた超高精度・原子時計の開発」
(5) 2005年9月
Julius Springer Prize

紹介記事その他
(1) 自己研究紹介
精密に制御されたレーザー光と原子を相互作用させることにより、原子の温度を絶対零度近くにまで冷却することが可能となった。こうすることで通常の実験条件では見ることのできない原子本来の性質や、その量子力学的な振る舞いを詳しく調べることができる。例えば、原子が放出する光の周波数を精密に測定することで原子時計の精度を数千万年に1秒の精度まで向上させることができるし、原子の波動性を利用した干渉測定は、新しい極限計測技術として注目されている。また、原子間の量子力学的なもつれ合いの状態を巧みに制御することによって、量子コンピューターの実現も可能になる。このような極低温原子を舞台に繰り広げられる、顕著な量子性の観測と制御を通して、その工学的応用を視野に入れた研究に取り組んでいる。

現在進行中の主要テーマは(1)冷却原子による量子エンタングル状態の生成、(2)アトムチップ・アトムICによる原子のコヒーレント制御、(3)光格子を用いる超高精度周波数標準の開発、である。(1)、(2)はこれまで、電子工学を支えてきた電子に代わり、原子を基本要素とする新しい情報処理系の構築を目指す研究で、量子コンピューティング実現を視野に入れた研究を行う。また(3)では、われわれの開発した独自のアイデア「光格子時計」の手法によって、18桁にも及ぶ原子スペクトル測定を実現し、物理定数の恒常性/時間揺らぎの検証に挑戦する。

公開特許
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研究者ページ
http://amo.t.u-tokyo.ac.jp

その他
(1) CREST「量子情報処理システムの実現を目指した新技術の創出」の研究代表者に就任(2005.09)

※( )内は、上段が研究者の現在の所属、下段は応募時の所属
 
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