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岡野 俊行
(早稲田大学 理工学部電気・情報生命工学科 助教授)
(東京大学 大学院理学系研究科生物化学専攻 講師) |
脊椎動物を含め、多くの生物には光に応答して転写制御される遺伝子が存在します。これらの光応答遺伝子の多くは概日時計の時刻調節に関わっています。本研究では、光による転写調節の仕組みを探り、未だ謎に満ちた概日時計のリセット機構に迫ります。また、光感受性の転写因子と光応答エレメントを探索・設計・利用し、光刺激により任意の遺伝子の発現を自在にコントロールできる、「光依存的な転写制御システム」の構築を目指します。 |
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(1) |
Okano, T., Kojima, D., Fukada, Y., Shichida, Y. and Yoshizawa, T.
Primary structures of chicken cone visual pigments: vertebrate rhodopsins have evolved out of cone visual pigments. Proc Natl Acad Sci U S A, 89: 5932-5936 (1992). |
(2) |
Okano, T., Yoshizawa, T. and Fukada, Y.
Pinopsin is a chicken pineal photoreceptive molecule. Nature, 372: 94-97 (1994). |
(3) |
Okano, T., and Fukada, Y.
Photoreceptors in pineal gland and brain: cloning, localization, and overexpression. Methods Enzymol, 316: 278-291 (2000). |
(4) |
Okano, T., Yamamoto, K., Okano, K., Hirota, T., Kasahara, T., Sasaki, M., Takanaka, Y. and Fukada, Y.
Chicken pineal clock genes: implication of BMAL2 as a bidirectional regulator in circadian clock oscillation. Genes Cells, 6: 825-836 (2001). |
(5) |
Okano, T., and Fukada, Y.
Chicktacking pineal clock.
J. Biochem. (Tokyo), 134: 791-797 (2003). |
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(1) |
1995年度 |
日本比較生理生化学会 吉田奨励賞 |
(2) |
2002年度 |
米国光生物学会(American Society for Photobiology) New Investigator Award |
(3) |
平成17年4月20日 |
第一回文部科学大臣表彰、若手科学者賞受賞 |
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(1) |
「脊椎動物まず色を見分けた」京都新聞1992年9月11日 |
(2) |
「脳に光感じる物質」朝日新聞1994年11月3日 |
(3) |
「生物時計のメカニズム解明に挑む」毎日新聞1997年7月15日 |
(4) |
「知を創る23:体内時計の遺伝子見つける」読売新聞2002年7月30日 |
(5) |
自己研究紹介
動物は、外界の光情報を利用し、さまざまな生命現象を示します。
ある動物では、体表が変化し、別の動物では子作りの準備を行います。なかでも視覚と概日時計は、ほとんどの脊椎動物で共通して見られる現象です。これらの生命現象を成り立たせている分子的な基盤について、主に分子生物学的、生化学的、あるいは生物物理学的観点から研究を行っています。具体的にはこれまでに、(1) 色覚を支える色受容分子の一次構造解明と進化的な解析、(2) 網膜以外での光受容を支える脳内光受容分子ピノプシンの同定、(3) 脳内光情報伝達メカニズムの解析、(4) 概日時計の構成分子とその調節メカニズムの解析、等を行ってきました。なかでも、ピノプシンの同定は、脳に発現する光受容分子に関する世界にさきがけた発見として広く知られています。現在は、光がどのようにして概日時計を調節しているのか、という疑問に応えるべく、光によって遺伝子発現が調節される分子メカニズムを探っています。この研究は将来的には、光を利用して自由に遺伝子や蛋白質の発現をコントロールする技術への応用も期待されています。 |
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(1) |
発明者 |
岡野俊行(50%)、深田吉孝(50%) |
発明の名称 |
新規時計遺伝子Bmal2 |
出願日 |
平成13年2月13日 |
出願番号 |
特願2001-35743 |
発明概要 |
生体においてサーカディアンリズムを司る概日時計の研究を行い、時計発振に重要な働きをする新規の遺伝子を同定した。Bmal2と名付けたこの遺伝子は、転写因子をコードしており、既に同定されていた別の転写因子CLOCKと結合して特定の遺伝子の転写を調節することを発見した。同時に、BMAL2を用いた転写調節の検出法を発明し、これを利用することによって概日時計の発振に影響する新規分子のスクリーニングが可能となった。 |
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同一特許を国際出願(PCT)しております。 |
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http:// |
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※( )内は、上段が研究者の現在の所属、下段は応募時の所属 |
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