SICORPの概要

事業の目的と背景

国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)は、我が国の優れた研究成果を世界に発信することを視野に入れ、我が国の競争力の源泉となり得る科学技術を、諸外国や地域と連携することにより相乗効果を発揮させ、相互に発展させることを目指して、競争的資金事業として平成21年度から実施しています。
戦略的国際科学技術協力推進事業は平成15年より実施してからすでに十数カ国と地域との研究協力を進め、顕著な成果を上げてきました。一方、激しさが増す国際競争を勝ち抜き、または一国のみでは解決できない科学技術の共通課題を解決するためには、同じ目標のもとで研究者同士が連携し、従来行われている研究の強化のみならず、分野の融合や新しい発想による研究のブレイクスルーを目指すことが重要であり、それを支援する枠組みが求められてきました。
本プログラムでは、省庁間合意等に基づき文部科学省が特に重要なものとして設定する相手 国・地域、分野において、相手国・地域のファンディング機関と連携し、イコールパートナーシップに基づく、多様な国際共同研究を支援しています。
相手国の研究支援機関と連携して、戦略的な国際共同研究を実施することにより、単一国で解決できない国際共通的な課題の解決や、国際連携による我が国の科学技術力の強化に資する成果を得ることを目的としています。

事業の概要

(1)共同研究課題の支援(公募)
1課題当たり6百万円~1億円/年を原則とし、3年間から5年間(相手国との調整により支援額や支援期間は柔軟に対応します)にわたり国際共同研究プロジェクトを支援します。
課題支援の内容には、[1]研究機材購入、[2]必要な人件費、[3]研究者の派遣・招聘、[4]研究者による研究集会、等の費用を含みます。
(2)相手国資金配分機関(相手国FA)との共同実施
運営統括(PD)及び研究主幹(PO)の指導のもと、相手国FAと連携しながら国際共同研究の課題の公募・共同審査を実施します。
国際共同研究における相手国の研究機関に対しては、相手国FAからJSTと同程度の規模と内容の支援が実施されます。

事業の仕組み

事業の仕組み

プログラムの紹介

プログラムの紹介

二国間の国際共同研究

優れた研究の世界への発信と、諸外国との連携の相乗効果による科学技術発展の加速

  • ■研究期間:3年~5年間
  • ■研究費:600万~1億円/課題・年
  • ■開始:平成21年度

わが国の科学技術・イノベーション力の更なる向上のため、省庁間の調整に基づいて設定された協力相手国・地域および研究分野において、イコールパートナーシップに基づく共同研究を実施しています。JSTは研究主幹(PO)のリーダーシップの下で、相手国ファンディング機関と連携しながら優れた国際共同研究の課題を支援しています。JSTと相手国ファンディング機関による共同公募・審査を経て採択された研究課題のチームに対して、日本側・相手側から研究支援が実施されます。

多国間の国際共同研究

AJ-CORE

Africa-Japan Collaborative Research

日本-南アフリカを核とする3ヶ国以上の日・アフリカ多国間共同研究プログラム

  • ■研究期間:3年
  • ■研究費:600万/課題・年
  • ■開始:令和3年度

AJ-CORE (Africa-Japan Collaborative Research) は、日本- 南アフリカを核とする3ヶ国以上の日・アフリカ多国間共同研究プログラムです。
日本側はJST、南アフリカ側はNational Research Foundation (NRF) が支援します。

e-ASIA

The East Asia Science and Innovation Area Joint Research Program

イコールパートナーシップでアジア地域共通の課題解決を目指す

  • ■研究期間:3年
  • ■研究費:1,170万円/課題・年
  • ■開始:平成24年度

アジア地域において科学技術分野の研究交流を加速することにより研究開発力を強化するとともに、アジア地域が共通して抱える課題の解決を目指します。
相手国ファンディング機関と連携しながらイコールパートナーシップにより、材料(ナノテクノロジー)・代替エネルギー・農業(食料)・防災・環境(気候変動、海洋科学)・イノベーションのための先端融合分野の研究分野で多国間協力を推進します。

EIG CONCERT-Japan

Connecting and Coordinating European Research and Technology Development with Japan

日本と欧州諸国との間の科学技術協力関係を発展させる

  • ■研究期間:3年
  • ■研究費:600万/課題・年
  • ■開始:平成25年度

科学技術イノベーション分野における日本と欧州諸国による共同公募を中心とした協力活動を行う多国間プログラムで、社会のための科学の発展と日欧間のネットワーク強化を目指します。EUの研究・技術開発フレームワーク・プログラム(FP7)における国際協力活動プロジェクトCONCERT-Japanの後継として2015年に設立されました。

国際共同研究拠点(CHIRP)

相手国に拠点を形成し、成果の現地社会普及を図る

  • ■研究期間:5年間
  • ■研究費:3000万~1億円/課題・年
  • ■開始:平成27年度

外交上の観点から日本にとって重要なASEAN 地域、インド、中国において、従来の国際協力により得られた成果やネットワークの実績を活かし、地球規模課題・地域共通課題の解決やイノベーションの創出、我が国の科学技術力の向上、相手国・地域との研究協力基盤の強化を目的として、日本の「顔のみえる」持続的な共同研究・協力を推進します。

Belmont Forum

世界各国が結集した地球環境変動研究への支援

  • ■研究期間:3~5年
  • ■研究費:500万~1000万円/課題・年
  • ■開始:平成24年度

地球環境変動研究へのファンディングを行う世界の主要先進国・新興国のファンディング機関の集まりであり、国際的な資金・研究者を動員し、連携することにより、人類社会の持続可能性を阻む重大な障害を取り除くために必要とする環境関連の研究を加速させ、SDGs へ貢献することを目的として、フューチャーアース・イニシアティブとも連携しています。

国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)

大災害発生直後の研究・調査で得られた教訓を被災地の復興と将来の防災へ役立てる

  • ■研究期間:6ヶ月~1年
  • ■研究費:数百万程度/課題
  • ■開始:平成23年度

J-RAPID は自然災害や人的災害など不測の事象が発生し、データの取得、問題の解決のために緊急に研究・調査を実施する必要がある場合に、機動的にその活動を支援することを目的としています。国などが本格的な研究・調査体制を整える前に、研究機関と協働して迅速に初動的な研究・調査を支援することにより、本格研究・調査への「橋渡し」としての役割を担っています。