藤田 玲子
核変換による高レベル放射性廃棄物の
大幅な低減・資源化
プログラム・マネージャー
藤田 玲子 Reiko Fujita
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1982年 東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了
1983年 ㈱東芝入社(原子力技術研究所)
2012年~株式会社東芝 電力システム社 電力・社会システム技術開発センター 首席技監
2014年~ ImPACT プログラム・マネージャー
((株)東芝よりJSTへ出向、エフォート100%)
【プロフィール】
文部科学省の革新的原子力システム公募で6件が採択されるなど、乾式再処理技術開発の第一人者。東京工業大学原子炉研究所、電力中央研究所などとの共同研究を推進。1995年日本原子力学会技術賞、1999年同論文賞など多数受賞。2010年より日本原子力学会の理事を勤め、2014年度同会長に就任。博士・理学。


研究開発プログラムの概要

原子力発電所の使用済み燃料を再処理した際に発生する高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化し、地層深くに埋めて処分する必要がある。しかし、この廃棄物には半減期の長い核種が含まれ、長期保管に対する不安が払拭されていない。そのため処分場もなかなか決まらないという社会的な問題があった。そこで、地層処分が唯一の選択肢であった長寿命核分裂生成物(LLFP)の核反応経路(パス)を究明する。合理的な核変換法を確立することで、安定核または短寿命核種に変換し、さらに回収生成物に含まれるレアメタルなどを資源利用するエコシステムにも挑戦。

非連続イノベーション

ブレークスルー

  • ほとんど開発実績のない放射性核種の効率的な分離回収技術の創造と実証(困難度 中)
  • 新たに開発する偏光レーザーによる効率的な偶数/奇数核種分離技術の実証(困難度 中)
  • 世界最高性能の加速器を利用した核物理学の革新的手法により核変換データを取得(困難度 小) 
  • 最先端の核変換技術を集大成し、実用的処理能力を持つ核変換装置概念を具体化する
      (困難度 大、下図参照)

困難なポイント

  • 核変換技術をマクロスケールで実証すること
  • 核変換のエネルギーバランスや経済性を満足させること

PMの挑戦と実現した場合のインパクト

概要・背景

  • 高レベル放射性廃棄物の問題は、原子力賛成・反対に拘わらず、解決しなければいけない問題であり、それによって後世代への負担を軽減できる。
  • 高レベル放射性廃棄物に含まれる長寿命核種には、レアメタルなど有用元素が多く含まれるが、放射性のため再利用が困難である。

実現したときに産業や社会に与えるインパクトは何か?

  • 長寿命核種であるマイナーアクチニド(MA)と長寿命核分裂生成物(LLFP*)の両者を核変換すれば放射能は1000年以下に大幅低減できる。
  • LLFPについても核変換の研究を進め、本来廃棄物とされていたものを資源として再利用する具体的な道筋を示すことができる。

成功へのシナリオと達成目標

具体的達成目標の実現に向けた戦略・シナリオ

  • 近年の加速器科学の進展により、核物理学では重イオンビームなどを用いて、これまで測定が難しかった放射性核種の核反応データ取得が可能となった。高レベル放射性廃棄物に含まれるLLFPについて核反応断面積などの情報を得れば合理的な核変換パスが提案でき、短寿命化あるいは資源化が現実的な解法となりうる。
  • そこで、世界で群を抜く最先端加速器施設であるRIビームファクトリー等を利用して、基礎核物理の手法を応用し、世界初の核反応データを取得し、これを基に工学的検討まで踏み込む。現在のところ核反応データ取得において我が国は圧倒的優位にあり、高レベル放射性廃棄物からのLLFP分離回収技術や、シミュレーション技術と組み合わせることにより、LLFPのプロセス概念を世界に先駆けて提案する。具体的には、以下の挑戦的課題について、最適な研究機関を選定、また社会実装を念頭に複数の企業の参加を得て実施する。
     (1)最適な核反応パスの提案・確認(Pd-107、Zr-93、Cs-135、Se-79)
     (2)取得したデータを基にしたバルク体系における核反応のシミュレーション
     (3)既存の処理工程へ導入可能な分離回収技術
     (4)同位体分離を伴わない核変換を効率的に行うための核反応を制御する新たな方法の提案
     (5)これらを統合した工学的検討とプロセス概念の提案

達成目標

  • 高レベル放射性廃液とガラス固化体から長半減期のLLFPを取り出し、核変換により半減期の短い核種または安定核種に変換する合理的なプロセス概念を検討する。
  • 具体的には、有意な核変換に必要な線源(加速器及びターゲット)の強度を合理的なコスト及びエネルギー収支で実現できることを示す。社会実装を考慮した核変換装置、分離プロセスおよび利用スキームを一貫したプロセス概念として提案する。
  • なお、研究進捗を踏まえ、当初計画から外した「核変換の難易度が高い核種のデータ取得」や「プラントを前提としたシステム開発」に段階的に展開する。

PMが作り込んだ研究開発プログラムの全体構成

PMのキャスティングによる実施体制


藤田 玲子PMの実施体制の詳細は公式HPをご覧ください。    公式HPへのリンク

プログラム資料