ImPACT Program 量子人工脳を量子ネットワークでつなぐ高度知識社会基盤の実現

ImPACT Program 量子人工脳を量子ネットワークでつなぐ高度知識社会基盤の実現

ImPACT Program 量子人工脳を量子ネットワークでつなぐ高度知識社会基盤の実現

内閣府 革新的研究開発推進プログラム ImPACT プログラムマネージャー 山本 喜久 プロフィール

量子力学を学んだ研究者は皆、この世界が数少ない量子力学の基本原理を用いて記述されることを知っています。
古典的な実在というものは、その量子基盤の中からシステム-環境相互作用と超選択則を通して、例外的なものとして出現します。
私達はその古典的実在の中で生きているため、古典を普通のもの(つまらないもの)、量子を特別なもの(価値あるもの)と考えがちですが、
事実はその逆で量子は普遍的なもの、古典が特殊なものなのです。
社会に大変革をもたらした現代技術のブレークスルーは、
量子の原理が古典の世界に埋め込まれた自然界の知恵を上手にくみ取ることから、その発見が生まれました。
NMR、トランジスタ、レーザ、超伝導、ボーズアインシュタイン凝縮、量子ホール効果、などは全て背景にある量子効果を表舞台から消し去り、
巨視的現象として古典世界に発現することにより、実用性を獲得したのです。
これまでの量子情報処理の研究では、古典世界に量子力学を直接実現しようと、人工的なトリックが探索されてきました。
その強引な手法に対するペナルティは小さくなく、実用性を獲得する上で大きな障害となっています。
このImPACTプロジェクトにおいては、“役に立つ量子の概念を強じんな古典の世界に埋め込む知恵を出す”ことにまず専念します。
具体的な研究テーマとして、量子人工脳、量子セキュアネットワーク、量子シミュレーションの3つを取り上げます。
もし仮に、これらの研究開発が成功したとしたら、出口で対峙することになる現代技術との優劣比較という厳しいテストが待っています。
ここで言う現代技術とは、それぞれ計算機科学、現代暗号、計算機シミュレーションをさします。
これらの成熟した現代技術のどこに弱点があり、量子技術はその弱点をどう解決できるのかを示すことが、ImPACTプロジェクトの要です。
その弱点とは、それぞれ組み合わせ最適化問題であり、符号化・複合化に要する計算リソースであり、強相関電子系であります。
言うまでもなく、これらの問題は将来のInternet of Things (IoT)や秘匿検索・計算や室温超伝導に結びつく重要なものであります。
ImPACTプロジェクトはここを主戦場とし、“量子か古典か”を問うのではなく、“どちらが総合力で勝っているか”を問うていきます。