SCIENCE AGORA

■サイエンスアゴラ2023 企画レポート

サイエンスアゴラ2023の”こぼれ話”〜家戸敬太郎さん(近畿大学)

2023.12.11

レポート

サイエンスアゴラ2023ワークショップ「ゲノム編集魚を味わおう!食の未来を考えよう!」より(出展者名:家戸敬太郎(近畿大学)・リージョナルフィッシュ株式会社・JST-RISTEX)

ゲノム編集技術で筋肉を増やすことで、可食部を1.2倍に増やした「肉厚マダイ(商品名∶22世紀鯛)」開発者の家戸さんから伺った”こぼれ話”をご紹介します。

レポート

家戸敬太郎さん
近畿大学水産研究所 教授、白浜実験場長、富山実験場長/リージョナルフィッシュ株式会社 科学技術顧問

①生き物としての肉厚マダイの特徴は?

筋肉でパンパンのフォルムをしているので、身体をしなやかに使って泳ぐことが得意ではありません。エサを食べるのも上手ではないですね。

繁殖もあまり上手くいかないと考えています。パンパンな身体のせいで卵をお腹に多く持てないためです。

②最近取り組んでいる研究は?

魚種で言うとアカムツ(ノドグロ)です。漁師さんに船を出してもらい、沖で捕れたメスから卵を取り出して人工授精させるところから取り組んでいます。

ただ、育てるのが非常に難しい。マダイがどれだけ養殖しやすい魚か、改めてよくわかりました。

③資源の減少を懸念している魚種は?

マアナゴです。産地として名高い瀬戸内でも、例えば大阪湾でのアナゴ類の漁獲量は1995年の646トンから2021年には5トンへと、実に1/130にまで激減しています。

事態を重く見た漁協の方から相談を受け、養殖技術の研究を行っています。採算性も少しずつですが上がってきました。

出展者取材記事など一覧

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