SCIENCE AGORA

サイバー社会の未来:欧州・日本の見解
Ab-084

こちらのイベントでは同時通訳を用い、「サイバー社会」をテーマに、ヨーロッパと日本の見解についてパネルディスカッションを行います。「IoTは何をもたらすのか?」「産業はどのように転換していくのか?」、「個人の識別はどうなるのか?」、「“感情”や“個性”を備えたロボットの役割とは何か?」など、さまざまなトピックについて、みなさんも一緒に考えませんか?

当日はパネリストとして、欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局(DG CONNECT)のNicole Dewandre博士、フランス国立科学研究センター(CNRS)およびパリ第6大学のRaja Chatila教授、マーストリヒト大学Brain and Emotion LaboratoryのBeatrice de Gelder教授ほか、日本の専門家や研究者が登壇します。

※使用言語:英語(同時通訳あり)

企画提供者 駐日欧州連合代表部
開催日 14日(土)13:30~15:00
会場 A会場(日本科学未来館)7階 未来館ホール
形式 シンポジウム
URL
出展時間 時間限定

タイムテーブル:

登壇者の紹介

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

コドニェ・フィリップ フランス国立科学研究センター
2015年2月1日よりフランス国立科学研究センター(CNRS)北アジア(日本・韓国・台湾)地域事務所所長を務めております。人工知能、言語プログラム、組み合わせ最適化、論理、コンピュータベース音楽に関する研究成果は120以上の国際科学刊行物や講演会で掲載・発表されています。

Beatrice de Gelder マーストリヒト大学
認識神経科学の教授をするほか、マーストリヒト大学にて脳・感情研究室のグループリーダーをしている。また、200を越える科学記事や本の著者でもあります。代表作には200年に発行された「Out of Mind: Varieties of Unconscious Processes」があります。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

橋本周司 早稲田大学
橋本周司研究室(通称SHALAB)は,1991年,早稲田大学理工学部応用物理学科において,計測制御部門の一研究室として活動を始めましたた。研究対象は,計測・制御工学から始まり,機械学習を経て情報工学・メディア工学と変遷を遂げ,現在に至っています。現在の主な研究内容は,音楽・マルチメディア,画像情報工学,メタ・アルゴリズム,ロボティクスです。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

Raja Chatila パリ第6大学・フランス国立科学研究センター
パリ第6大学の教授であるとともにフランス国立科学研究センターの研究ディレクターでもあります。

アゴラ市民会議「どんな未来を生きていく? ~AIと共生する人間とテクノロジーのゆくえ」

Nicole Dewandre 欧州委員会
2010年より欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局(DG CONNECT)にて総局長顧問を務める。EUの研究・イノベーション枠組み計画である「ホライズン2020」のICTに関わる分野において、「責任ある研究・イノベーション(RRI=Responsible Research Innovation)」と人文社会系(SSH=Social Science and Humanities)を担当している。

久木田水生 名古屋大学
神戸大学、大阪大学、京都大学などで講師、研究員を務めた後、2014年より名古屋大学情報科学研究科准教授。専門は言語哲学、技術哲学、技術倫理、人文情報学(デジタル・ヒューマニティーズ)。近年は特にロボット工学に関する哲学的倫理的問題について考察をしている。

北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所
(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長、所長。システム・バイオロジー研究機構会長、沖縄科学技術大学院大学教授、理化学研究所 統合生命医科学研究センター疾患システムモデリング研究グループグループディレクター、ロボカップ国際委員会ファウンディング・プレジデントも務める。Computers and Thought Award(1993)、Prix Ars Electronica (2000)、日本商環境設計家協会 JCDデザイン賞(1996)、日本文化デザインフォーラム日本文化デザイン賞(2001)、ネイチャーメンター賞中堅キャリア賞(2009)を受賞。ベネツィア・建築ビエンナーレ、ニューヨーク近代美術館(MoMA)等で招待展示を行う。

開催報告

こちらのキーノートセッションでは、ICT分野における最新のトレンドを追い、サイバー社会とロボティクスについてディスカッションを行いました。サイバー社会をテーマとした第一部では、プライバシー問題やテクノロジーへの過度な依存に対するリスク、高度に相互接続されたテクノロジーネットワークのレジリエンス(回復力)、関係的自己という観念や、これらが状況に応じてどのように変化するのか、そして人間同士の関係や信頼にもたらす影響について意見が交わされました。ロボティクスをテーマとした第二部では、知能を備えたロボットが私たち人間と会話をする上で、思考、感情や直感を働かすことができるのか、その可能性などについて話し合いが行われました。いつの日か、人間とロボットの見分けがつかない将来が訪れるのでしょうか?「ヒューマニズムを超える」哲学が必要になるのでしょうか?さらに研究開発が進むにつれ、ヒューマノイドロボットと人間の境界線があやふやになる日がくるかもしれません。そのような未来において、私たち人間同士の関係はどのように変化し、また、人類はロボットをコントロールできるのでしょうか?テクノロジーの発展に伴い、倫理的判断、エンパシー(共感)や責任について議論を重ねる必要性が強調されました。

page top