新しいビジネスの創造

新しいビジネスの創造

高知県はかつて林業で栄えましたが、海外からの木材輸入などによって、需要も少なくなり、手入れされない森林が荒れ続けています。そこで、間伐材など使われていない森林資源からつくる木質ペレットという新しい燃料に注目しました。同時に、ペレットを燃やすバーナーと、温風を送ってビニルハウスの暖房とするシステムを、地元の企業と協力して開発しました。そして、このシステムを使ってくれる農家の協力を得ることもできました。
こうして、燃料を作る仕事、燃焼システムを開発・管理する仕事、燃料と燃焼システムを使って農作物を作る仕事という、ひとつづきのビジネスの流れができたのです。この流れは、林業、野菜や園芸市場、ボイラー製造、流通などへと広げていくことができます。行政や農協や森林組合などの団体なども関わってくるでしょう。このようなビジネスのありかたが、地域に根ざした産業クラスターの例なのです。
このビジネスのもうひとつの特徴は、地域がエネルギー面で自立していく可能性を含んでいることです。エネルギーを地元で調達できれば、石油価格の変動によって受ける影響が少なくなり、経営が安定するというメリットもあります。さらに、持続可能な社会のモデルを地域社会で実現するという意義もあります。

2012年9月30日をもちまして、領域の活動は終了致しました。