社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築|RISTEX

RISTEX社会技術研究開発センター

社会的孤立・孤独を生まない社会の創出を目指して

本プログラムにおいては、人口減少・少子高齢化、経済変動、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の新興感染症による影響など、様々な社会構造の変化を踏まえ、社会的孤立・孤独のメカニズムを明らかにすると共に、社会的孤立・孤独を生まない社会像を描出し、人や集団が社会的孤立・孤独に陥るリスクの可視化や評価手法(指標等)、社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組みの研究開発を推進します。その際、開発した評価手法(指標等)に基づいた、社会的孤立・孤独の予防施策の効果検証を含め、PoC(Proof of Concept:概念実証)までを一体的に行います。

本プログラムの実施を通して、人・組織・コミュニティ間の多様な社会的つながり・ネットワークを実現し、社会的孤立・孤独を生まない社会の創出を目指します。

特に、2020年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行により、対面による直接的なコミュニケーションが困難となり、想定外の物理的な分断への対応が迅速かつ十分でないあらゆる場面で、社会的孤立・孤独の顕在化・深刻化がおこり、また、これまで社会的孤立・孤独から無縁だった人や集団も社会的孤立・孤独に陥るリスクが高まっています。

今後、ウィズコロナ・ポストコロナの社会における望ましいつながり・ネットワークのありかたを追求し、これを積極的に構築していくことも必要です。

現状の課題、ビジョンの設定からビジョンの実現までを説明したロジックモデル
プログラムのロジックモデル

3つの研究開発要素の一体的な推進

本プログラムは、人文・社会科学の知見も活用し、社会のメカニズム理解にまで掘り下げた研究開発が必要なものを対象とし、研究知と現場知を融合させ、施策現場でのPoC(Proof of Concept:概念実証)まで実施することを想定しています。

具体的には以下①②③の研究開発要素を含めた一体的な研究開発を推進します。概念的な研究にとどまることがないよう、特に研究開発要素③においては、社会的孤立・孤独を予防する仕組みを実証するための施策現場(国内の特定地域や、学校、職場、コミュニティなど)を具体化した提案を求めます。

①社会的孤立・孤独メカニズム理解と、社会的孤立・孤独を生まない新たな社会像の描出

人や集団の行動、心理、社会的背景の検証から、どのようなメカニズムによって社会的孤立・孤独が生じるのか、社会的孤立・孤独の状況にある人々の視点も考慮した社会の在り方を分析します。その結果を基に、予防すべき社会的孤立・孤独を明確にするとともに、社会的孤立・孤独を生まない新たな社会像を描出します。

②社会的孤立・孤独リスクの可視化と評価手法(指標など)の開発

①で描いた社会像の実現に向け、まず人や集団が社会的孤立・孤独に陥るリスクを早期にとらえるための可視化や評価手法(指標など)を研究開発します。

③社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組み

社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組み(予防施策)を開発し、②で開発した社会的孤立・孤独リスクの可視化・評価手法(指標など)に基づいた評価・実証を、国内の特定地域や、学校、職場、コミュニティなどを対象に行います。

社会的孤立・孤独度を低くするための取り組みについて
「厚生労働省、社会的排除にいたるプロセス~若年ケース・スタディから見る排除の過程~概要(内閣官房/内閣府提出資料)、第8回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会資料(平成24年9月28日)」を参考に、RISTEXにて作成