マネジメントの現場から
2014年8月3日(日)~4日(月) サイトビジット(新開プロジェクト)報告
平成23年度に採択された新開プロジェクト「高齢者の虚弱化を予防し健康余命を延伸する社会システムの開発」の3回目のサイトビジットを実施しました(於:兵庫県養父市)。これまでのサイトビジットはこちら(第1回サイトビジット、 第2回サイトビジット)
新開プロジェクトでは、加齢に伴って進む虚弱を「地域の力」を活用して先延ばしし、元気で笑って暮らせる地域を創れないか、大きなチャレンジを進めています。
今回訪れた兵庫県養父市は綺麗な山々に囲まれた山陰の中山間地域です。高柳自治協区の中から下八木地区をモデル地区として、シルバー人材センターに登録している高齢者(名づけて「笑いと健康お届け隊」!)の力で「毎日元気にクラス(虚弱予防教室の呼称)」を展開しています。
まずは、高柳自治協区の役員の方のお話を伺いました。3ヶ月間(週2回!!)と長期に渡る「毎日元気にクラス」にも関わらず、役員の方々は積極的に協力していただけているとのこと。受付、声かけ、事前の準備と、地域を知るアクティブシニアの力を改めて感じました。若いからといって、うかうかしていられません。
翌日は養父市で「毎日元気にクラス」を展開する上で欠かせないシルバー人材センターを訪れ、事務局長をはじめ、お届け隊コーディネーターや行政の方々のお話を伺いました。
もともと予防について素人の高齢者が教室を運営する不安、開催回数の多さもあって、何度か困難にも直面したとのこと。そのたびにプロジェクト・行政・シルバー人材センター・高齢者がチーム一丸となって越えてきたプロセスは他地域にも伝えてもらいたいと心から感じました。プロジェクト終了後の教室継続についても、みんなで考えていらっしゃいました。
「自分が楽しくなければ、相手に伝わらない」。「わきわきあいあいとしながら、一緒に学んでいく」。皆さんが笑いながら自信を持って取り組みについて語られている姿も印象的でした。その日のお昼はご用意いただいたカレーライスを食べながら、笑い声とともに、ざっくばらんにお話をさせていただきました。
午後は、実際に「毎日元気にクラス」の場に足を運びました。
昨日お会いした役員の方が受け付けにいらっしゃって、皆さん、元気に挨拶をされていました。受付をされていた役員の方の「健康づくり応援手帳」を拝見するとびっしりと書き込みがあり、こうして日ごろから生活を見直すことは重要だと感じました。
教室は毎回、地元の「やぶからぼうたいそう」から始まり、前半はストレッチと筋力運動、誰かと一緒に行うコーディネーション運動の運動プログラム。後半は栄養プログラムか社会プログラムで、今回は栄養プログラム。「ヨーグルト」を使った食事を作って、みんなで試食しました。
(当日は取材も行いました。詳しくはこちらをご覧ください)
2月に鳩山町、8月に養父市と続いた新開プロジェクトのサイトビジットとなりました。どちらの地域も、管理栄養士、保健師など専門職の力はもちろん、そこに高齢者の方々も含めた地域の力が集まったからこそ、自信を持って伝えたい取り組みとなっているのではと感じたサイトビジットとなりました。このように「笑って元気に暮らせる町」が広がっていくことを期待しています。




