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  4. 研究開発領域の概要

領域について研究開発領域の概要

老若男女で開く未来への途

 科学技術が飛躍的に発達したにもかかわらず、私たちの社会は、少子高齢化、財政赤字、環境問題、過疎化、災害リスク、など多くの課題を抱えています。これらはいずれも持続可能性にかかわる問題で、国際連合が2015年にSDGs(持続可能な開発目標)をまとめたことからもわかるように、こうした問題は程度の差こそあれ、世界共通の課題です。こうした諸問題に対して様々な取り組みがなされていますが、個別に縦割り型の手法でとりくむことには限界があることが明らかになってきたように思います。地域という現実の場で、各種の地域資源の状況を踏まえつつ、総合的な観点から解決策を考えていくことが重要だと考えています。

 多世代共創は、そのための重要な方法論だと思います。それは、多世代の人々が協力することで、人々が元気になり、意識が変わり、様々な知恵が集まり、合意形成が容易になり、活動の継続性が高まるからです。詳しくは裏表紙の「これまでにわかったこと」をご参照下さい。もちろん、多世代でやればなんでもうまくいくというわけではありませんし、やり方にも当然優劣があります。そこで社会技術としての多世代共創を開発 ・ 改善し、できるだけ多くの地域で、様々な人々に活用していただき、ひいては持続可能な社会の実現に役立てたい、というのがこの領域の趣旨です。

研究開発領域の目標

 具体的には、次の3点をめざしています。

(1) 多世代共創が持続可能な都市・地域のデザインにとってどのように有効かを明らかにする。

(2) 多世代共創が有効と考えられる分野に関して、多世代共創を促す仕組みを提案し、試行・改善を行う。

(3) そうした仕組みが社会に実装されていくようにするとともに、知見の交換等を行うネットワークを構築する。

 この領域では、上記の観点から、ほとんどのプロジェクトが具体的な対象地域(フィールド)での実証を行い、RISTEXでの研究開発期間終了後にも何らかの形で活動が持続し、社会実装につながることを目指しています。

 なお、多世代共創の「共創」とは、「してあげる世代」と「してもらう世代」という関係ではなく、一緒に何かを創るという趣旨で使っている言葉です。そして創る対象は必ずしもモノでなくても構いません。健康や幸福感の増進、財政赤字の削減、環境負荷の低減など、価値を創造していくことが大切であると考えています。

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