2021.01.29

1/29(金) アカデミーヒルズ共催「カオスを生きる」第4回 ケアの未来:他者の身体と向き合う医療・介護ビジネス

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森ビルアカデミーヒルズ・JST/RISTEX/HITEコラボレーション企画
「カオスを生きる」第4回 ケアの未来:他者の身体と向き合う医療・介護ビジネス

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自己責任論から考え直す " ケアの未来 "
新型コロナウィルスの感染拡大は、罹患者に対して「自己責任」として突き放す、社会の冷たい一面が露わになった。この背景には、感染症やその他あらゆる疾患は、『個人が自己管理すべきもの』という近代以降の科学観が根底にあるのではないだろうか?近代以降、科学技術は自然をコントロールすることで発展を遂げたように、その発想は「医療」においても同様で、科学の進歩が数々の病を克服してきた。しかし、現在のコロナ禍はこの科学観の限界を露呈し、これからのケアにおいては、病気や障碍といった区分を超えた「人体という自然」への新たな関わり方が求められるのではないだろうか?

他者の身体と向き合うビジネス:医療・介護のこれからを考える
今回、病気や障碍を、身体にまつわる新たな「他者」として向き合うことで、社会に蔓延した「自己責任論」を見つめ直すとともに、医療や介護分野において「他者の身体と向き合う」こと、またそれをビジネスとして扱うことについて考えます。
障碍を通して人間の身体の多様なあり方を研究する伊藤亜紗氏(東京工業大学科学技術創成研究院 未来の人類研究センター長)、「介護者側の負担を減らす」という思いから、介護者を支えるためのロボット開発に取り組む宇井吉美氏(株式会社aba代表取締役)、健康・教育に関する大手企業の事業創出を支援する新城健一氏(ホオバル取締役/Holoeyes 取締役兼CSO)、医療と社会とのかかわりについての研究活動する臨床医師の尾藤誠司氏(国立病院機構東京医療センター臨床研究センター政策医療企画研究部臨床疫学研究室室長)を迎え、医療・介護のこれからについて議論します。

■詳細アカデミーヒルズサイト
■日時:2021年1月29日(金)20:00-22:00
■会場:オンライン開催
■参加費:無料/事前申し込み必要(お申込み期限:2021年1月27日(水)10:00まで)
■主催:森ビルアカデミーヒルズ
■共催:科学技術振興機構社会技術研究開発センター「人と情報のエコシステム」研究開発領域

お申し込みはこちらから

※全6回開催予定(2020年10月~2021年2月)
今後の開催案内については、アカデミーヒルズのサイトおよび本サイトにて随時お知らせします。

登壇者

photo スピーカー
宇井吉美
株式会社aba代表取締役
2011年、千葉工業大学在学中に株式会社abaを設立。中学時代に家族介護をしている中で得た「介護者側の負担を減らしたい」という思いから、介護者を支えるためのロボット開発の道に進む。学生時代に「排泄ケアシステム『Helppad(ヘルプパッド)』」の開発を開始、現在製品化。2019年、文部科学省 科学技術・学術政策研究所より「ナイスステップな研究者」に選出。


photo スピーカー
伊藤亜紗
東京工業大学 科学技術創成研究院 未来の人類研究センター長
東京工業大学 科技術創成研究院 未来の人類研究センター長。
MIT客員研究員(2019)。
専門は美学、現代アート。
もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。
2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。
同年、博士号を取得(文学)。
主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『どもる体』(医学書院)、『記憶する体』(春秋社)など。WIRED Audi INNOVATION AWARD 2017受賞。

photo スピーカー
新城健一
ホオバル取締役/Holoeyes 取締役兼CSO
フリーライターからネットメディアベンチャーでのプロデューサー、スマホ市場開拓のためのソフトバンク子会社のCOOを経て、(株)HORBAL取締役就任。健康・教育に関する大手企業の事業創出を支援。日経BPと共に、サービスの多様性爆発を目指すカンブリアナイト を主宰。2017年医療VRベンチャーHoloeyes(株)取締役兼CSO就任。経済産業省J-Starupに選出。(社)医療リテラシー研究所理事、(社)ライフロングウォーキング推進機構理事、Mistletoeコンテクストデザイナーなども兼務。

photo スピーカー
尾藤誠司
国立病院機構東京医療センター臨床研究センター政策医療企画研究部臨床疫学研究室 室長
1965年、愛知県生まれ。 1990年、岐阜大学医学部卒業後、国立長崎中央病院、国立東京第二病院(現・東京医療センター)、国立佐渡療養所に勤務。 1995~1997年 UCLAに留学し、臨床疫学を学びながら医療と社会とのかかわりについての研究活動を行う。著書に『「医師アタマ」との付き合い方』などがある。


photo コメンテーター
佐倉統
東京大学大学院 情報学環 教授
1960年東京生れ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所、横浜国立大学経営学部、フライブルク大学情報社会研究所を経て、現在、東京大学大学院情報学環教授。もともとの専攻は霊長類学、進化生物学だが、現在は科学技術と社会の関係についての研究考察が専門領域。人工生命、脳神経科学、放射線リスク、AIやロボットなどさまざまな分野の社会的問題を渉猟しつつ、人類進化の観点から人類の科学技術を定位することが根本の関心。主な著書に、『人と「機械」をつなぐデザイン』(東京大学出版会)、『「便利」は人を不幸にする』(新潮選書)、『おはようからおやすみまでの科学』(ちくまプリマー新書)、『現代思想としての環境問題』(中公新書)など。

photo ファシリテーター
塚田有那
編集者・キュレーター
世界のアートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。一般社団法人Whole Universe代表理事。2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者と共に始動。12年より、東京エレクトロン「solaé art gallery project」のアートキュレーターを務める。16年より、JST/RISTEX「人と情報のエコシステム(HITE)」のメディア戦略を担当。近著に『ART SCIENCE is. アートサイエンスが導く世界の変容』(ビー・エヌ・エヌ新社)、共著に『情報環世界 - 身体とAIの間であそぶガイドブック』(NTT出版)がある。大阪芸術大学アートサイエンス学科非常勤講師。