OUTLINE

領域概要

研究開発領域の目的

「人と情報のエコシステム」は、科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)から発信する公募型研究開発領域です。ビッグデータを活用した人工知能、ロボッ ト、IoTなどの情報技術の急速な進歩によ り、より豊かで効率性の高い社会が実現され るとの期待が高まっている一方、情報技術は 様々な問題をもたらしうるとの指摘もなされ 始めています。 本研究開発領域では、それらの問題に適切に 対処していくために、情報技術を人間を中心 とした観点で捉え直し、社会の理解のもとに 技術と制度を協調的に設計していくための研 究開発を推進し、情報技術と人間のなじみが とれた社会の実現を目指します。

  1. 情報技術がもたらしうる変化(正負両面)を把握・予見し、アジェンダ化することで、変化への対応方策を創出する
  2. 情報技術の進展や各種の施策に対し、価値意識や倫理観、また現状の制度について検討し、今後の社会で望まれる方向性や要請の多様な選択肢を示す

    1、2のような問題の抽出、多様なステークホルダーによる規範や価値の検討、それらに基づく提示や提言までをサイクルとみなし、その確立のための研究開発を行います。また、このような社会と技術の望ましい共進化を促す、共創的なプラットフォームを構築することを目指し、その機能のために必要な技術や要素も研究開発の対象とします。

研究開発のテーマ

領域の目標を達成するために、下記A~B-5の公募テーマによる研究開発プログラムを推進します。「A.共進化プラットフォーム」は、領域全体が目指すアウトプットそのものですが、仕組みの構築や方法論自体も研究開発の対象とします。また、B-1~B-5に紐づく応用テーマの取り組みの際にも、「A. 共進化プラットフォーム」の構築に貢献することが期待されます。

共進化プラットフォーム

A

情報技術がもたらしうる潜在的なリスクやメリットを的確に特定し、評価を行うための方法論の研究開発。評価を情報技術の人間中心設計に反映させる方法論の研究開発。

法律・制度

B-1

情報技術がもたらしうる潜在的な負のリスクを軽減し、潜在的なベネフィットを最大化するための、法的課題の特定と措置の提言を行う研究開発。

倫理・哲学

B-2

情報技術がもたらしうる潜在的な倫理的・哲学的課題の特定と指針を提示する研究開発。

経済・雇用

B-3

情報技術がもたらしうる潜在的な負のリスクを低減しながら、ベネフィットを最大化するための研究開発。

教育

B-4

情報技術が浸透する社会における変化への対応力を身につけるための研究開発。

人間中心視点による技術開発

B-5

開発の上流段階から社会的要請を意識し、多様なステークホルダーとの対話を通じた人間中心の技術開発の実証研究。他の競争的な研究資金などとの連携によって、具体的な技術開発の中で人間中心の考え方を取り込んだ際の課題や対応策について研究を行う。