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チェルノブイリ付近の森林火災による大気中セシウムの濃度は上昇も影響は小さい(SATREPSウクライナプロジェクトの報告)
地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
2020年4月、チェルノブイリ規制区域および周辺地域で森林火災が発生しました。これを受けて、ウクライナの行政機関や研究機関と共同研究を行う、SATREPS「チェルノブイリ災害後の環境管理支援技術の確立(研究代表:福島大学 難波教授)」プロジェクトは、森林火災の延焼範囲や、現地共同研究者らが測定した大気中の放射性物質濃度などを福島大学環境放射能研究所のホームページで紹介しています。
測定の結果から、今回の森林火災によって首都キエフ市内においても大気中の放射性物質濃度(セシウム137濃度)の上昇が確認されました。しかし、予測された追加の被曝線量は非常に小さいことが明らかになっています。詳細は下記をご覧ください。
- 福島大学 環境放射能研究所 森林火災に関するプレスリリース
- https://www.fukushima-u.ac.jp/news/Files/2020/04/200423ier.pdf
これまで、本プロジェクトはウクライナ側研究機関における放射性物質量等の観測体制の整備に取り組んでおり、それら観測体制が今回の森林火災にも活かされることとなりました。
引き続き、本プロジェクトは森林火災による放射性物質の大気輸送をシミュレーションするなど、森林火災による影響予測に取り組むとのこと。ウクライナ・日本の研究機関の連携により、今後も現地の詳細情報が発信されることが期待されます。【関連情報】
- プロジェクトの詳細
- https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2803_ukraine.html(日本語)
- https://www.jst.go.jp/global/english/kadai/h2803_ukraine.html(Eng)
- プロジェクトの専用ウェブサイト
- http://www.ier.fukushima-u.ac.jp/satreps/index.html(日本語)
