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JSTnews 2024年1月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。
2024年1月号
- 特集
- ナノの世界の超高速現象を捉える顕微鏡 産学連携で見やすく、使いやすく
ビッグデータでインフラ補修時期を予測 マネジメント政策の形成を国内外で支援
P.03 橋本理事長メッセージ 新年のごあいさつ

昨年は、緊迫した国際情勢の中、物価高や酷暑などさまざまな困難に直面した一方で、ChatGPTをはじめとしたAI (人工知能)が注目され、技術の急速な進歩を肌で感じた1年でした。新しい技術への期待が高まる中で、JSTは日本の科学技術・イノベーション政策の中核的な実施機関として、着実にその役割を果たしてまいります。
P.04特集 1― ナノの世界の超高速現象を捉える顕微鏡 産学連携で見やすく、使いやすく

高性能な半導体、効率の良い太陽電池、新機能材料の開発など、現代産業を推し進めてより豊かな社会を実現するには、ナノの世界を観察・制御する技術が不可欠だ。ナノの世界を超高速に捉えられる「時間分解走査トンネル顕微鏡(時間分解STM)」は非常に複雑で、これまでは計測の専門家しか扱えなかった。その常識を覆したのが、筑波大学とユニソクの共同研究を基に開発された顕微鏡だ。システムの簡易化・小型化を実現し、最先端顕微鏡において普及の糸口を開いた筑波大学数理物質系の重川秀実教授とユニソク開発部の岩谷克也部長に、開発の背景や道のり、これからの展望を聞いた。
P.08特集 2― ビッグデータでインフラ補修時期を予測 マネジメント政策の形成を国内外で支援

橋梁、トンネル、道路舗装、上下水道などのインフラの老朽化が社会問題化する中で、インフラの補修や更新を行うマネジメント政策の重要性が高まっている。大阪大学大学院工学研究科の貝戸清之准教授は、長年の点検を通じて蓄積したビッグデータを用いたデータサイエンス技術によってインフラの補修・更新時期を予測する手法を開発した。さらに、ライフサイクル費用評価の活用によって老朽化インフラのマネジメント政策を形成するためのプロセスを構築。日本国内の公共インフラへの実装だけでなく、発展途上国のインフラ整備でも貢献が期待されている。
P.12連載― イノベ見て歩き
第8回 「納豆」から生まれたプラスチック 生分解性で海洋プラごみ問題を解決へ

社会実装につながる研究開発現場を紹介する「イノベ見て歩き」。第8回は、納豆のネバネバ成分から抗菌性と生分解性を兼ね備えたメディシナルプラスチック材料の開発とバイオベンチャーを通じた産業展開に挑む、高知大学教育研究部総合科学系生命環境医学部門の芦内誠教授と白米優一特任研究員を訪ねた。
P.14NEWS & TOPICS

- 研究成果
- ゴムと金属の接着老化に関わる反応を可視化
- 研究成果
- 30年間の謎、オートファジーの膜分解を解明
- 研究成果
- 農地にばらまける土壌含水率センサー
- 研究成果
- 細胞内外の乳酸を可視化するたんぱく質
P.16さきがける科学人― アイスコアは気候のタイムカプセル 地球が歩んだ100万年の解明を目指して

国立極地研究所 共同研究推進系(気水圏研究グループ/アイスコア研究センター)助教/総合研究大学院大学 先端学術院・先端学術専攻 極域科学コース 担当教員
大藪 幾美
ISSN 1349-6085
編集発行/ 国立研究開発法人科学技術振興機構 総務部広報課
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