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JSTnews 2022年9月号

JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。

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2022年9月号

総力特集
量子技術の現在地

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P.03総力特集― 量子技術の現在地 求められる幅広い領域での飛躍的な発展

量子技術の現在地 求められる幅広い領域での飛躍的な発展

量子コンピューターに象徴される量子技術の進化がめざましい。その社会実装には、量子情報処理、量子通信をはじめとした幅広い領域で、量子技術の飛躍的な発展が望まれる。2016年度から始まったCREST研究領域「量子状態の高度な制御に基づく革新的量子技術基盤の創出」の研究総括を務める東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構の荒川泰彦特任教授に、量子技術研究の歩みと今後の展望を聞いた。

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P.04総力特集― 折り紙構造の新回路で集積化目指す

折り紙構造の新回路で集積化目指す

量子コンピューターにはいくつかの手法が提案されているが、最も進んでいるのが超伝導方式だ。現在のコンピューター同様、量子コンピューターも量子ビットの集積化が必要だが、周囲の温度や磁気などの影響を受けない入出力配線が大きな課題となっていた。東京理科大学大学院理学研究科の蔡兆申教授は、平面上に素子を並べて配線した後、折りたたむ折り紙構造で集積化を実現する新回路を提案し、量子チップの実装に大きく貢献した。

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P.06総力特集― 2つの電子スピンを自在に操作

2つの電子スピンを自在に操作

量子コンピューターでは計測や計算中にエラーが生じやすいため、これをいかに解決するかが大きな課題の1つとなっている。これに対し、理化学研究所量子機能システム研究グループの樽茶清悟グループディレクターは、シリコン量子ドット中に閉じ込めた2つの電子スピンを誤り訂正が可能な高い精度で自在に操作することに世界で初めて成功した。これにより、長年培われてきた半導体技術を生かした、半導体量子コンピューターの実現への道を拓いた。

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P.08総力特集― 長距離で中継器の原理実証に成功

長距離で中継器の原理実証に成功

量子コンピューターが実現すると、それらの端末同士を量子ネットワークで結ぶことにより、膨大な情報の送受信が可能になるとともに、総体としての量子コンピューター群の能力は指数関数的に高まる。この実現に向けて、すでに世界中に張り巡らされた光ファイバーを使った量子通信技術の開発が進む。大阪大学量子情報・量子生命研究センターの井元信之特任教授(現東京大学特命教授室特命教授)は、光子の量子状態を長距離でも光損失による伝送速度の低下を抑えて配信する量子中継器の原理実証に成功し、「グローバル量子ネットワーク」実現に向けて着実に歩み続けている。

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P.10総力特集― 広帯域の強力なもつれ光源を開発

広帯域の強力なもつれ光源を開発

医療から宇宙観測に至るまで幅広い応用が期待できる計測やセンシングでも、量子技術の活用が期待されてきた。しかし、実際に計測技術として社会実装するためには、理論の検証だけでなく、デバイスや検出器などの開発が不可欠である。京都大学大学院工学研究科の竹内繁樹教授は、広帯域周波数量子もつれ光の光源を開発するとともに、それを組み込んだ量子光干渉断層計(量子OCT)を実現した。光子1つ1つを制御し、これまでにない高い精度で計測技術の確立を目指す。

P.10-11をPDFで読む(PDF:1.6 MB)

P.12連載― どうやって実現する? 明るく豊かなゼロエミッション社会

第3回 バイオマスで脱炭素に挑む
連載 どうやって実現する? 明るく豊かなゼロエミッション社会

若手商社員・皆川豊を主人公としたストーリー仕立てで、低炭素社会戦略センター(LCS)が発行する提案書を読み解く連載の第3回。前回、LCSの磐田朋子客員研究員に「個人ができる脱炭素への貢献」の話からバイオマスについてのヒントを受けた皆川。今回はLCSでバイオマス廃棄物のメタン発酵最適化を手掛ける岩崎博特任研究員、そして木質バイオマス生産コスト低減を手掛ける河原崎里子研究員に、バイオマスを活用した脱炭素への取り組みについて聞いた。

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P.14NEWS & TOPICS

NEWS&TOPICS
研究成果
がんが引き起こす肝臓の代謝異常を解明
研究成果 
自動車表面の風圧分布・風向を瞬時に推定
研究成果
市販のポリエステルを完全分解
研究成果
自ら泳ぐ「奇弾性体」の理論を発見

P.14-15をPDFで読む(PDF:1.2 MB)

P.16さきがける科学人― 長期的な地域活性化の一助に

長期的な地域活性化の一助に

金沢大学 理工研究域 地球社会基盤学系 准教授

高山 雄貴

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ロゴ:未来をひらく科学技術 JST news

ISSN 1349-6085

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