JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2015年度>2016年1月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
「TOP100 グローバル・イノベーター2015」 JSTが受賞
「TOP100 グローバル・イノベーター2015」はトムソン・ロイター社が保有する特許データを基に知的財産や特許動向を分析し、独創的な発明のアイデアを知的財産権で保護し、事業化に成功した企業・機関100社に贈られます。JSTは、引用における特許の影響力が評価され、日本の公的機関としては初めて受賞しました。
P.04年初の抱負を語る
海図のない近未来へ イノベーションの先導役を
2016年が明けた。東日本大震災から5年目を迎える。近未来を見すえつつ当面5年間の政策を具体化する国の「第5期科学技術基本計画」がスタートする。JSTは設立20年を迎える。この大きな節目の年初にあたって、昨秋就任した濵口道成理事長に抱負を語ってもらった。「大学との密接な連携・協働」「情報時代の政策推進と人材育成」「復興と減災」「多様性と新たな価値観」について熱く語る姿は、かつての臨床医師を彷彿とさせる。社会と科学のあり方からJSTの体質改善までを冷静に観察し、的確な診断と処方箋をじっくりと準備しているようだ。
P.063次元ナノ多孔質グラフェンで
電気自動車をガソリン車並みのパワーに
繰り返し充放電できる2次電池(バッテリー)の中で現在、リチウム空気電池が注目を集めている。東北大学の陳明偉教授らが開発した3次元構造を持つナノ多孔質グラフェンを正極に用いることで、高容量、高効率のリチウム空気電池開発に道を開いた。「日本のチーム力」での研究に秘訣があるという。
P.10脱石油化学への挑戦
環境と資源の危機を『触媒』で乗り超える
私たちの生活は石油によって支えられている。燃料だけでなく、身の回りのあらゆるものの原料でもある。それ故、石油文明とも呼ばれる。しかし石油依存には大きな問題がある。限りある資源であるとともに、温室効果ガスの二酸化炭素を発生し、地球環境に悪影響を与えている。名古屋大学大学院理学研究科の斎藤進教授は、こうした危機的な状況を触媒の力で打破し、低エネルギーで持続可能な未来社会を切り開こうとしている。
P.14JSTの最近のニュースから…
NEWS & TOPICS
【イベント】 あらゆる人に開かれた科学と社会をつなぐ広場サイエンスアゴラ 【話題】 「熟練研究者」の匠の技を高度に再現 【研究成果】 人間のiPS細胞で作った腎臓組織をマウスに移植 尿を作る機能へ大きく前進
P.16先導的物質変換領域(ACT-C))「ブタジエンを鍵とする非平面π電子系の創製と機能発現」
ブレークスルーをもたらす、かっこいい分子をデザインしたい
名古屋大学大学院理学研究科 准教授 深澤 愛子
ページトップへ
研究室でコインセル型リチウム空気電池を手にするCREST研究代表者の陳明偉さん。ナノ多孔質グラフェンによる電極が実用化されれば、リチウム空気電池の性能が飛躍的に向上し、電気自動車がガソリン車並みのパワーを発揮するはずだ。