JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2014年度>2014年6月号
JSTnewsは、独立行政法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03ビッグデータ時代を開拓するデータサイエンス最前線
ゲリラ豪雨を「30分前に予測せよ!」
気候変動の影響で、従来の方法では予報が追いつかない気象災害が頻繁に起きている。その代表格が、狭い地域で短時間に強い雨をもたらす局地的大雨、通称「ゲリラ豪雨」だ。理化学研究所計算科学研究機構の三好建正チームリーダーらは、膨大な観測データを高速に処理する「ビッグデータ同化」と呼ばれる手法を用いて、荒れ狂う気象に挑んでいる。
P.08ビッグデータ時代を担うデータサイエンティスト育成を目指す日本初のコンテスト
データ分析のアイデアとスキルを競う
ビッグデータは膨大で多彩な情報のるつぼに例えられる。そこからいかに有用な知識や社会・経済のニーズをすくい上げるかは、専門家の腕前やセンスにかかっている。JSTは3月8日、大規模情報を活用した統計解析のさらなる普及とこの分野の人材育成に向けて、分析アイデアやスキルを競い合うコンテスト「データサイエンス・アドベンチャー杯」を、ソフト・サービス会社SAS Institute Japanと共同開催した。全国から寄せられたきらめくアイデアや効果的な分析の数々を紹介する。
P.12微小な違いを見分ける新たな信号解析法
100億倍の精度向上で「細胞」や「重力波」を観測する
私たちが発する声は、さまざまな周波数の音が混じり合っている。富山大学大学院の廣林茂樹教授は、音声や光などの信号に隠されている周期的な成分を精度よく拾い出せるよう、新しい信号解析法を研究している。医療用の断層撮影装置などに応用すれば、現在広く使われている方法に比べて、はるかに鮮明な画像も得ることができる画期的な技術だ。
P.14JSTの最近のニュースから…
TOPICS
【取り組み】 福島県で世界最先端の太陽電池研究を実施 【研究成果】 レアメタルを使わない高性能な磁石を開発 【研究成果】 虫垂もムダではありません 【イベント開催報告】 シンポジウム「未来を創る東北の力」-科学技術の英知・絆の成果-
P.16研究成果最適展開支援プログラムA-STEP FSステージ 探索タイプ「化学マイクロアクチュエータの探索」
化学反応で動かすロボットへの挑戦
芝浦工業大学 工学部 機械機能工学科 准教授 前田 真吾
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未来につながる回廊へようこそーと言わんばかりに計算機を積んだラックがずらりと並ぶ。ビッグデータ時代の気象予測研究に取り組む理化学研究所計算科学研究機構の三好建正(たけまさ)チームリーダーは、1秒間に1京(1兆の1万倍)回の計算能力をほこる日本一のスーパーコンピューターである「京」を活用している。高性能気象レーダーや次世代気象衛星で集めた膨大なデータを、高速で計算処理し、ゲリラ豪雨などの高速・高精細予測実現を目指す。