
タマムシのメタリックな光沢は、クチクラという透明な物質が十数層重なる外皮の多層膜による干渉で、特定の波長の光が強く反射して生じる(構造色)。
浜松医科大学の針山孝彦教授は、この色が、飛翔時に同種を探す目印になっていることを見つけ、車の塗料で光沢ある色や形を再現(上段)したり、本物のタマムシ(上段左)と同様の多層構造のフィルムを開発し、少しずつ色を変えて試した(下段)が、一匹も近寄ってこなかった。そこで、反射光の偏光まで再現したシート(背景全面)を作成したところ、虫型でなくても多くのタマムシが集まった。虫の捕集に応用できる技術だ。