プロジェクト紹介
目標9 研究開発プロジェクト(2023年度採択)子どもの虐待・自殺ゼロ化社会
プロジェクトマネージャー(PM)菱本 明豊神戸大学 大学院医学研究科 教授
概要
私たちが独自に見出した若年自殺者エピゲノム異常の先進的知見と新規の脳内AMPA受容体認識技術を基盤に、①子どもの被虐待や自殺リスクを予測するバイオマーカーの開発、②被虐待・自殺傾性におけるエピゲノム・遺伝子発現・AMPA受容体の異常を明らかにします。それにより、子ども自身での表出が難しい被虐待・自殺リスクの可視化と、被虐待~さらにはそれが自殺リスクにまでつながる情動不安定性の生物学的基盤の解明および解明した基盤に基づいた新規治療標的の同定を目指し、子どもの虐待・自殺がゼロになる社会の実現に貢献したいと考えます。
終了時(2024)年のマイルストーン
- 研究開発項目1
- ①健常な子どもに比して被虐待歴のある子どもにおいて、また②被虐待歴のある子どもの中でも特に自殺念慮/行動歴を有する群において、「エピゲノム年齢異常老齢化・テロメア異常短縮・免疫細胞構成異常・特定遺伝子領域のメチル化異常」が強く生じることを明らかにした上で、本研究で取得されたデータ群を機械学習により解析し、子どもの被虐待歴・自殺リスクを高精度に推測できるアルゴリズムを確立する。また特に強い自殺傾性を呈する子どもたちの末梢血シングルセル解析を実施し、細胞種ごとの遺伝子発現異常や、細胞構成比率異常の同定を目指す。
- 研究開発項目2
- 世界初のヒト生体脳内AMPA-PET可視化技術を用いて、被虐待・自殺行動歴の有無と脳内AMPA受容体密度の有意な相関を示す脳領域群を同定する。これにより、過去の虐待歴や、それが自殺傾性にまでつながる情動不安定性の脳基盤を明らかにする。また「個人の各領域AMPA受容体量を、同一個人の末梢検体の網羅的DNAメチル化データから高精度に推定」できるかを明らかにし、「若年者のAMPA受容体動態を、非侵襲的に把握できるバイオマーカー確立」に向けての知見産出を目指す。
研究開発項目(クリックすると、それぞれの成果概要ページに遷移します)
課題推進者リスト
研究開発項目[1][2] | 大塚 郁夫 | 神戸大学 大学院医学研究科 准教授 |
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研究開発項目[1] | 古屋敷 智之 | 神戸大学 大学院医学研究科 教授 |
研究開発項目[2] | 宮崎 智之 | 横浜市立大学 医学群 教授 |
PDFダウンロード
- プロジェクト概要(365KB)
- 実施状況報告書
- 2023年度版(702KB)