プロジェクト紹介

内匠 透PM 写真

目標9 研究開発プロジェクト(2021年度採択、2024年度終了)こころの可視化と操作を可能にする脳科学的基盤開発

プロジェクトマネージャー(PM)内匠 透神戸大学 大学院医学研究科 教授

概要

このプロジェクトでは、「こころ」がどのように生まれ、変化するのかを科学的に明らかにすることを目指しています。そのために、脳の働きをリアルタイムで観察したり、人工的に変化させたりできるマウスを使って研究を進めます。
具体的には、「仮想現実(VR)」の技術を活用し、マウスが動きながらさまざまな感覚刺激を受け取れる仕組みをつくります。さらに、2匹のマウスが同じVR空間で出会い、社会的なふるまい(たとえば仲良くする・避けるなど)を見せる場面(マウスメタバースと呼びます)を再現します。そうしたやりとりの中で、マウスの「こころの状態」を、脳の活動の変化として記録・分析します。
また、「光を使って脳の一部の働きをコントロールする技術(オプトジェネティクス)」を用いて、脳の働きを意図的に変化させます。これにより、脳のどの部分が「こころの動き」や行動の変化に関係しているのかを調べます。
このような方法を通じて、「こころ」がどのように脳の中でつくられるのかを明らかにし、将来的には人の心の不調の理解や治療にもつながる新たな手がかりを提供することを目指します。

終了時(2024)年のマイルストーン

1. マウスの「こころ」の動きを観察できるVRシステムの完成
マウスが仮想空間の中で他のマウスと関わる様子を見ながら、そのときの脳の働きをリアルタイムで記録・分析するシステムを完成させます。このシステムを使って、マウスが「親しみ」や「興味」といったポジティブな気持ちを持っているとき、あるいは「警戒」や「不安」といったネガティブな気持ちを持っているとき、それぞれの脳の働きがどう違うのかを見分けられるようにします。
2. 光でマウスの脳を操作する技術の確立
マウスの頭の外から光をあてることで、脳の特定の場所を刺激し、働きをコントロールできる技術を確立します。この技術によって脳の活動パターンを変化させ、マウスの行動がどう変わるかを調べ、「こころ」と行動のつながりを明らかにします。

研究開発項目(クリックすると、それぞれの成果概要ページに遷移します)

課題推進者

研究開発項目[1][2] 内匠 透 神戸大学 大学院医学研究科 教授
研究開発項目[2] 的場 修 神戸大学 次世代光散乱イメージング科学研究センター 教授

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