成果概要

超次元状態エンジニアリングによる未来予測型デジタルシステム[2~4] VラボA、B、C

2025年度までの進捗状況

1. 概要

フュージョンエネルギーシステムを実用化するためには、次世代装置(図1左)や中性子照射材料(図1右)などを対象に、様々なバーチャルラボラトリ(デジタル空間上の仮想実験室、Vラボ)が必要とされています。本プロジェクトでは、デジタル空間でVラボを活用し、フュージョンエネルギーシステムの設計や性能試験が可能であることを実証するために、以下の3つの研究開発項目を設け、それぞれに適したVラボA、B、Cを構築します。これらのVラボA、B、Cは、デジタル空間での設計や性能試験を可能にする先行成功例となり、産学連携を通じて、さらに多彩なVラボの構築へと展開していきます;

  • 【研究開発項目2】VラボA 磁場閉じ込め方式フュージョンエネルギーシステム向けVラボ
  • 【研究開発項目3】VラボB レーザー核融合など、A以外のフュージョンエネルギーシステム向けVラボ
  • 【研究開発項目4】VラボC 中性子照射などの材料実験向けVラボ
図1
図1. Vラボの対象例のイメージ:次世代フュージョンエネルギー装置(左)、中性子照射材料(右)

2. これまでの主な成果

デジタル空間おいてフュージョンエネルギーシステムの設計や性能試験が可能であることを実証するため、Vラボに求められる基準(達成基準)を策定するとともに、Vラボの構築を担当する課題推進者(PI)の選定および研究開発体制の構築を行いました。具体的には、まずVラボA、B、Cに対応する「磁場閉じ込め方式フュージョンエネルギーシステム」、「磁場閉じ込め方式以外のフュージョンエネルギーシステム」、「中性子照射などの材料実験」に関するワークショップを開催しました。それぞれのVラボで取り組むべき研究開発課題についてオープンに議論し、その内容を参考にして、研究開発課題の概要を定めました。そして、その研究開発課題の概要に基づき、トカマク型(図2左)およびヘリカル型(図2右)の磁場閉じ込め方式フュージョンエネルギーシステムのVラボの構築を担当するPIや、中性子照射などの材料実験のVラボの構築を担当するPIを選定し、研究開発体制の構築を行いました。さらに、これらのPIの方々との議論を通じて、Vラボに求められる基準を策定しました。このように本プロジェクトでは、トカマク型やヘリカル型などの異なる方式のフュージョンエネルギーシステムの設計や性能試験が可能なVラボを構築することで、多様なフュージョンエネルギーシステムの可能性を探求します。

図2
図2. トカマク型(左)・ヘリカル型(右)の磁場閉じ込め方式フュージョンエネルギーシステムのイメージ

3. 今後の展開

今後は、多様なフュージョンエネルギーシステムや中性子照射などの材料実験(図1、図2)に対応したVラボを構築し、次世代装置の設計や性能試験、そして中性子照射材料の性能試験を進めていきます。Vラボは、研究開発項目2から4のPIがフュージョンエネルギー分野で利用されている計算プログラム、実験データや計算データに基づいて開発する「専用モジュール」と、研究開発項目1のPIがAI・データ駆動科学や数理分野の知見を活かして開発する「共通モジュール」を組み合わせて実現します(図3)。また、研究開発の進捗に応じて、新しい研究開発課題やPIを順次追加していく予定です。

図3
図3. Vラボの構成イメージ