低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2021-PP-14

次世代半導体デバイスの技術開発課題と展望
- SiC 半導体デバイス-

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概要

 低炭素化社会に向けて、世界的に再生エネルギーの大幅な導入拡大による供給エネルギーの電力シフトが進行する一方、需要においても情報化社会の進展に伴い電力需要が増加している。またこの傾向は将来、さらに拡大すると考えられる。このような背景を元にパワーデバイス、なかでもSiCデバイスが大きく注目されている。その理由はSiCの持つ広いバンドギャップ、高い熱伝導率などの優れた物性に加えて、次世代半導体の中では結晶製造技術、デバイスプロセス技術が充実しているからである。

 本提案書では、SiCのパワーデバイス材料としての特徴と共に、応用が期待されるSiCデバイス市場について、特に自動車、エネルギー、情報通信、産業用に着目して、それら市場の現状と将来予測をまとめた。実際にSiCデバイスの実用化は自動車用途などで始まりつつあるが、コスト面では未だにSiとの差は大きい。本提案書において以下の政策提言を行った。
 SiCパワーデバイスのさらなる普及拡大のためには、低コスト、高効率、高信頼性のデバイス製造技術の開発が必要である。このためには、大口径で低欠陥密度のSiC単結晶製造技術および低欠陥密度高効率エピタキシャル膜製造技術、およびデバイス特性に影響する欠陥構造の特定、その生成過程と挙動を解明し制御する欠陥制御技術が重要である。さらにデバイスプロセス技術においてもMOSFETのチャネル形成技術の大幅な改善が必要である。

提案書全文

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