低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2017-PP-03

水素製造技術における燃料電池(SOFC・PEFC)の役割
—固体酸化物形燃料電池システム(Vol.5)—

概要

 燃料電池システムの新たな役割の提案を目的として、再生可能エネルギーの電力を用いた水電解への適用について検討を行った。今年度は、現在開発が進められている平板形の固体酸化物形燃料電池(SOFC)および固体高分子形燃料電池(PEFC)の両者のシステムのスタック製造コストの評価を行い、それらのコスト構造の比較を行った。

 その結果、水素製造能力が同じ条件下(450Nm3/h)で評価を行い、SOFCの場合、8.5円/W(1.5MW級水蒸気電解用スタック)であり、PEFCの場合で10.7円/W(1.9MW級水電解用スタック)であった。続いて、上述のSOFCを用いた水蒸気電解セル(SOEC)およびPEFCを用いた水電解セル(PEMEC)による水素製造コストの検討を行った。平板形のSOECとPEMECのスタックによる水素製造と後段の水素の圧縮・貯蔵プロセスを考慮した水素製造コストの算出を行い、その比較検討を行った。さらに、水素製造に関する技術シナリオを検討し、水素製造コストが5円/MJ以下に低減するための技術課題について提案を行った。

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