LCS-FY2018-PP-05
固体酸化物形燃料電池システム(Vol.6)
—セルデザインおよび新型燃料電池の包括的評価—
概要
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は高い発電効率が特徴であり、水素や天然ガスによる高効率発電システムの実現が期待されている。SOFCのさらなる研究開発と将来の普及に向けて、その技術および経済性の評価が必須であり、SOFCの様々なセルデザインの包括的なコスト評価を実施した。
これまで、平板形、円筒平板形、円筒縦縞形、円筒横縞形などのSOFCのセルデザインが考案されてきたが、最近は多孔質金属支持体を用いた平板形(以下金属支持形と呼ぶ)に代表される新しいセルデザインの研究開発も進められている。本提案書では、JST-LCSで開発したコスト評価統合プラットフォームであるModeling Toolを用いることで、従来のセルデザインに加え、金属支持形を含む幅広いセルデザインのコスト評価を進め、材料や製造方法の製造コストに対する影響について検討した。原材料費は、平板形を基準とすると、金属支持形では1/2に低減される。一方、200kW級、年産100~10,000台の金属支持形における設備コストは1.5倍程度になると試算された。200kW級SOFCシステムの発電コストは、スケールメリットを考慮することで、いずれのセルデザインにおいても14円/kWhを達成できることが示唆され、その達成に向けた技術課題について検討を行った。
提案書全文
関連提案書
- 固体酸化物形燃料電池システム —要素技術の構造化に基づく定量的技術シナリオと科学・技術ロードマップ—
- 固体酸化物形燃料電池システム(Vol.2) —中・大型機SOFC製造コスト評価と技術開発課題—
- 固体酸化物形燃料電池システム(Vol.3) —将来の電源構成におけるSOFCの役割と技術開発課題
- 固体酸化物形燃料電池システム(Vol.4) —水蒸気電解への適用と技術開発課題—
- 水素製造技術における燃料電池(SOFC・PEFC)の役割 —固体酸化物形燃料電池システム(Vol.5)—
- 「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」の構築(Vol.4)
- 太陽光発電システム(Vol.3) —定量的技術シナリオに基づくコスト低減技術評価(タンデム型を含む高効率化合物系太陽電池)—