低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2018-PP-05

固体酸化物形燃料電池システム(Vol.6)
—セルデザインおよび新型燃料電池の包括的評価—

  • SDGs7
  • SDGs9
  • SDGs13
  • SDGs11
  • SDGs12

概要

 固体酸化物形燃料電池(SOFC)は高い発電効率が特徴であり、水素や天然ガスによる高効率発電システムの実現が期待されている。SOFCのさらなる研究開発と将来の普及に向けて、その技術および経済性の評価が必須であり、SOFCの様々なセルデザインの包括的なコスト評価を実施した。

 これまで、平板形、円筒平板形、円筒縦縞形、円筒横縞形などのSOFCのセルデザインが考案されてきたが、最近は多孔質金属支持体を用いた平板形(以下金属支持形と呼ぶ)に代表される新しいセルデザインの研究開発も進められている。本提案書では、JST-LCSで開発したコスト評価統合プラットフォームであるModeling Toolを用いることで、従来のセルデザインに加え、金属支持形を含む幅広いセルデザインのコスト評価を進め、材料や製造方法の製造コストに対する影響について検討した。原材料費は、平板形を基準とすると、金属支持形では1/2に低減される。一方、200kW級、年産100~10,000台の金属支持形における設備コストは1.5倍程度になると試算された。200kW級SOFCシステムの発電コストは、スケールメリットを考慮することで、いずれのセルデザインにおいても14円/kWhを達成できることが示唆され、その達成に向けた技術課題について検討を行った。

提案書全文

関連提案書