低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2021-PP-11

固体酸化物形燃料電池システム(Vol.9)
-水素エネルギー変換・貯蔵システムの技術経済性評価-

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  • SDGs9
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概要

 再生可能エネルギーの利用・貯蔵用のエネルギーキャリアとして有望視されるアンモニア合成の技術経済性分析を行った。再生可能エネルギーを用いて水の電気分解によって製造した水素(いわゆるグリーン水素)を用いたアンモニア製造のコスト試算を行った。

 水素の貯蔵には圧縮機と蓄圧器(高圧ガスシリンダー)が必要であり、水素利用の高コスト化の要因になっている。本提案書ではグリーン水素を前提としたアンモニア合成・貯蔵システム(アンモニア貯蔵型システム)のコスト評価を行い、水素利用の可能性について検討を行った。アンモニア貯蔵型システムでは、ハーバー・ボッシュ法(HB法)や電解合成を含むシステム構成について検討を行い、圧縮機と蓄圧器を含む水素製造システム(水素貯蔵型システム)との比較検討を行った。アンモニア貯蔵型システムは、水素貯蔵型システムと比較して概ね同等のコスト競争力が見込まれる。電力コストを5円/kWhと仮定した場合、エネルギー原単位当たりのアンモニアの製造コストは3円/MJであり、水素製造コスト(2.8円/MJ)と比較しても十分にコスト競争力を有することが示された。

提案書全文

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