低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2019-PP-17

太陽光発電システム(Vol.6)
—2050年に向けた主力電源としての太陽光発電システム産業の将来像—

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概要

 太陽光発電(PV)システムの市場はコスト低減により拡大し、将来の主力電源の一つに掲げられている。脱炭素社会の実現に向けてさらなる普及拡大が見込まれるが、導入する将来の社会像を描くとともに、技術、経済、産業、市場、地域偏在性、導入ポテンシャル、資源量など、様々な観点から導入課題を評価する必要がある。

 低炭素社会戦略センター(LCS)では、これまで種々のPVシステムのコスト構造を分析してきており、推定した技術水準に対する製造コストを詳細に評価する手法を確立し、将来のコストとCO2排出量を算出してきた。本提案書では、これまでの研究結果を用いて、2050年までのPVシステム産業の展望を示し、考察した。具体的には、第一に、現状の産業、市場動向を整理し、脱炭素社会に向かう世界および日本のPVシステムの導入量、市場規模、就労人数を示した。脱炭素社会に向けて日本のPVシステムの役割は大きく、電力需要や系統技術によるが2050年に400GW~1,400GWの導入が見込まれる。一方で、世界市場に占める日本市場の割合は縮小する。第二に、技術向上による将来のPV導入ポテンシャルの拡大可能性を評価した。最後に、脱炭素社会実現に向けて、主力電源としてのPVシステムの産業戦略のための政策提案を示した。大規模導入の実現可能性を定量的に示し、世界市場への展開に繋がる定量的評価に基づいた技術開発を促進するべきである。PVの技術開発と産業発展に資する時宜を得た評価結果を出すことが重要となる。

提案書全文

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