(1)「ナノスケール強誘電体トランジスタの研究開発と機械学習アクセラレータへの応用」
(研究代表者:東京大学 大学院工学系研究科附属システムデザイン研究センター(d.lab) 准教授 小林 正治、台湾半導体研究所(TSRI) リサーチフェロー 蘇 俊榮)
本研究交流は、Cyber-Physical-Systemの実現に不可欠な画像・時系列データ認識技術について、最先端のCMOS技術に基づく強誘電体トランジスタのデバイス技術と回路・システム設計技術を研究開発し、IoTエッジデバイスでの超高エネルギー効率な機械学習アクセラレータの実現を目的とするものです。
(2)「AIチップ技術に向けた三次元異種機能集積hCFETs」
(研究代表者:産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 研究員 張 文馨、台湾半導体研究所(TSRI) リサーチフェロー 李 耀仁)
本研究交流は、多様なAIチップ応用に向けて3次元異種semiconductor-on-insulatorプラットフォームを構築し、hCFETsの開発を目指すものです。
(3)「HfO2強誘電体を用いた機能性トランジスタの開発」
(研究代表者:産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 上級主任研究員 右田 真司、清華大学 システム科学工学部 教授 張廖 貴術)
本研究交流は、HfO2強誘電体薄膜の新機能開拓とそのトランジスタ集積技術を共同で研究開発することで、AIデバイスやAIシステムの実現にとって不可欠な機能性トランジスタの基盤技術構築を目指すものです。
今回の研究交流課題の募集では10件の応募があり、これらの応募課題を日本側および台湾側の専門家により評価しました。その結果をもとにJSTおよびMOSTが協議を行い、研究内容の優位性や交流計画の有効性などの観点から、日本と台湾がともに支援すべきと合意した3件を支援課題として決定しました。日本側と台湾側ともに令和2年4月に支援開始を予定しています。研究期間は支援開始から3年間の予定です。
- 注1) 国際科学技術協力基盤整備事業「日本‐台湾研究交流」
- 2007年9月にJSTとMOSTの前身である国家科学委員会(NSC)の間で覚書を締結しました。JSTとNSCは、2008年度(平成20年度)に「ナノデバイス」分野の研究交流課題の共同公募を実施して以降、「バイオエレクトロニクス」分野、「バイオフォトニクス」分野で公募を実施しました。2014年(平成26年)にNSCのMOSTへの改組に伴いJSTとの協力もMOSTに引き継がれ、JSTとMOSTは、「IoTのためのセキュリティ技術」分野、「セキュアでディペンダブルなIoTポータブルデバイスのための研究」分野、「超高齢社会における高齢者のケアと支援のためのICT」分野で公募を実施してきました。2019年度(令和元年度)に、「AIシステム構成に資するナノエレクトロニクス技術」分野で公募を実施しました。
- 日本‐台湾研究交流ホームページURL: https://www.jst.go.jp/inter/program/kiban/gather/taiwan.html
- 注2) 台湾科技部(MOST:Ministry of Science and Technology)
- MOSTは、国家科学委員会(NSC、1959年設立)が2014年に改組されて発足した機関です。改組により、NSCが担っていた科学技術発展の促進、学術研究支援、サイエンスパーク発展に加えて学術研究と産業発展のさらなる連携を促進し、科学技術発展に尽力するファンディング機関としての機能を果たしています。
- MOSTホームページURL: https://www.most.gov.tw/
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〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K's五番町
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Tel:03-5214-7375 Fax:03-5214-7379
E-mail:kokusatw(at)jst.go.jp (at)を@にしてください。