独立行政法人
 科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業(ERATO)
上田マクロ量子制御プロジェクト
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冷却原子とは


超低温量子ガスとはどのようなものでしょうか?

通常の温度、例えば室温では、気体の振る舞いは古典的な粒子が飛び回っているものとして理解できます。粒子のもつもうひとつの側面、波動性はその波長が小さすぎて、問題になることはありません。

これに対し、スピンの和が半整数の原子、フェルミ粒子は2つ以上の粒子が同じ状態を共有できません。そのため、絶対零度の近くでは全ての状態がエネルギーの低い側から詰まった状態を作り出します。これがフェルミ縮退気体です。フェルミ縮退気体は、固体中の電子や白色矮星の内部状態なども記述する、非常に普遍的な概念です。

量子気体がここまで実現されなかった大きな理由は、必要とされる温度の低さだと述べました。これが最近になって可能になった理由はレーザーをはじめとする技術の発達と我々の冷却原子の振る舞いに対する理解の進化が挙げられます。現在、最も信頼のおける方法はレーザー冷却で室温の原子を1ミリケルビンまで冷やし、さらに蒸発冷却という手法で超低温に至る、という手法です。こうして達成された百万分の一度、またはそれ以下という温度は人類の歴史だけでなく、自然の歴史の中でもここでしか達成されていない非常に低い温度の熱平衡状態です。





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