BioJapan2019に出展しました。
JST保有のバイオ・医療分野に関する厳選技術を紹介しました。
知的財産マネジメント推進部は、ライセンスによる技術移転や大学と企業の共同研究推進を見据えて2019年10月9日(水)~11日(金)にパシフィコ横浜で開催された「BioJapan2019」に出展しました。JSTが保有する特許等の中から、バイオ・医療分野に関する厳選した技術を紹介しました。(一部、他機関保有特許等も含みます。)
■ BioJapan2019 概要
- 【会期】
- 2019年10月9日(水)~11日(金) 10:00~17:00
- 【会場】
- パシフィコ横浜 展示ホール
- 【公式WEBサイト】
- 【来場者登録】
- 【マッチングシステムについて】
■ マッチングシステム 掲載技術のご紹介
No. | 技術の名称 | 主な発明者・所属 (researchmap) |
技術の概要 | 国際公開番号/ 登録番号(日本) (各種公報) |
関連資料 |
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1 | アダルト型オリゴデンドロサイト前駆細胞の製造方法 THE PRODUCTION METHOD OF ADULT OLIGODENDROCYTE PRECURSOR CELLS |
徳元 康人 (慶応義塾大学・埼玉医科大学) |
オリゴデンドロサイト(OL)は中枢神経系内のグリア細胞の一つであり、主にミエリン鞘の形成を担っている。しかしin vitroでは短時間で死滅すること、また物理的に脆弱であることから移植による疾患の治療には利用できない。OLの前駆細胞(OPC)には増殖型とアダルト型が存在する。幼若個体に多量に存在する増殖型OPCは短時間で全てOLまで最終分化する。一方、休眠状態であり移植治療に十分な強度を有するアダルト型OPCは成体にごく微量しか存在せず、充分量のアダルト型OPCを調製することは非常に困難であった。 発明者らは、in vitroでの増殖型OPCからアダルト型OPCへの誘導分化に成功した。本細胞を疾患部位へ移植後、分化刺激を与えてOLに分化させることで、髄鞘形成不全や脱髄による中枢神経系疾患の治療への応用が期待できる。 |
WO2015111602/ 特許第6615616号 |
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2 | 未病状態を検出:動的ネットワークバイオマーカー Detection and Identification of Pre-disease Signals with Dynamical Network Biomarker Theory |
陳 洛南 (東京大学) |
多くの疾病、特に複雑な疾病の悪化進行のプロセスは、ある臨界閾値を超えた時点に達すると状態遷移が突然発生し、健康状態から急激に疾病状態に変化する。従来からバイオマーカー等で疾病状態を診断する方法があるが、複雑疾病の場合は臨界遷移の予測は困難である。 発明者らは、新たなバイオマーカーとして動的ネットワークバイオマーカー(DNB)を開発した。DNBは生体から採取した生体サンプル中の遺伝子発現量等に対して統計計算を行うことにより決定される。DNBにより、生体が病気になる直前の状態を検出することができる。 |
WO2014050160/ 特許第5963198号 |
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WO2014065155/ 特許第6164678号 | |||||
WO2018207925/ 特許第7124265号 | |||||
3 | PICsome:次世代型中空ナノカプセル PICsome:The Next-generation Hollow Capsules |
岸村 顕広 (九州大学) |
核酸に代表されるバイオ医薬品候補は多くの難治性疾患の治療に適用できる優れたポテンシャルを有している。しかしながら、生体内での安定性は十分とは言えず、また標的とする細胞に取り込まれにくいなどの課題を抱えている。 発明者らは、幅広い種類の物資を封入可能で、血中滞留性や腫瘍集積性の調節が可能な次世代中空ナノカプセルを発明した。 |
WO2011145745/ 特許第5843763号 |
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WO2014133172/ 特許第6049854号 | |||||
4 | HIV検出用オリゴヌクレオチド、HIV検出キット、及びHIV検出方法 A highly sensitive method for detection of HIV persistence and its application to antiretroviral therapy (ART) regimen |
水谷 壮利 (東京大学) |
現在のAIDS治療においては、抗HIV薬による強力な併用療法(HAART)が多大な効果を挙げている。しかし、HAARTではAIDSを根治できず体内にHIV感染細胞が残存し、HIV感染症の治癒を阻むだけでなく、患者の免疫系に慢性的なストレスを与え悪性腫瘍や心疾患など「AIDS以外の疾患」の罹患率を高める原因となっている。残存感染細胞は主にリンパ節に存在しているが、一部は末梢血中を循環している。 本技術は、末梢血中の感染細胞内のウイルス由来RNAを直接評価することで、残存感染細胞の挙動を把握する方法に関する。先ず、ウイルス複製の場でない末梢血中では循環する感染細胞からの長鎖RNAはqRT-PCR法でほとんど検出されないこと、短く中途停止したRNAが一部の感染細胞内に蓄積していることを見出した。次に、このHIV由来短鎖RNA (Short transcript, ST) の高感度検出系を構築した。更に、治療後においてこのRNA検出結果が患者の病態を反映していることを見出した。 |
WO2013111800 権利消滅 |
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5 | がん治療薬の新しい標的因子ZIC5 A new cancer drug target ZIC5 |
深見 希代子 (東京薬科大学) |
発明者は、ZIC5遺伝子の機能を抑制・阻害すると、メラノーマ、前立腺がん、その他がんの腫瘍細胞悪性化を抑制することを明らかにした。ZIC5は上皮間葉形質転換(EMT)関連遺伝子である。正常組織における発現が限局しているため、ZIC5を阻害することで副作用が出ることは少ないと考えられる。 | WO2016178374/ 特許第6806671号 |
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6 | DNAポリメラーゼ阻害剤 DNA Polymerase Inhibitor |
阿部 洋 (名古屋大学) |
発明者はウイルス感染症治療薬、抗がん剤等として有効なDNAポリメラーゼ阻害剤を開発した。この阻害剤は新規の作用機序を持ち、薬剤耐性HIVウイルスに対し既存薬の10倍以上の抗ウイルス活性を示した。 | WO2019172394/ 特許第7266896号 |
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7 | V-ATPase阻害剤 V-ATPase Inhibitor |
村田 武士 (千葉大学) |
発明者は新規抗菌薬、腸内細菌叢調節薬として有用なV-ATPase阻害剤を開発した。この阻害剤は野生型・変異型に関わらない抗菌活性を有し、腸内環境の悪化により増えた悪玉菌に対して特異的に効果を示す可能性がある。また開発したスクリーニング方法により、新たな医薬候補分子の探索が可能である。 | WO2020149295/ 特許第7428387号 |
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