未来の共創に向けた社会との対話・協働の深化

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対話協働

2023年度
「STI for SDGs」アワード 
受賞取り組み紹介

日本発・世界の失明と視覚障害の根絶

  • 目標3:すべての人に健康と福祉を

団体名:OUI Inc.

<解決したい社会課題>
  • これまで眼科医療にアクセスできていない患者さんに眼科診断を届け、世界の予防可能な失明と視覚障害を克服し、Universal Health Coverage(UHC)の実現に寄与する
<取り組み内容>

 現在、世界には何らかの視覚障害を持つ人が約22億人、失明者は約4,300万人いるが、その半数以上は予防や治療が可能と言われている。これらの人の多くは、発展途上国の農村など眼科医がいない医療過疎地域で暮らしており、本来は治療可能な状態であるにも関わらず、病状が悪化し失明に至ってしまうケースも多数あると考えられる。

 この取り組みでは、このような状況を改善するため、スマートフォンアタッチメント型の眼科医療器“Smart Eye Camera(SEC)”を発明した。SECは、一般的なスマートフォンの光源を利用して、眼科医が前眼部の検査に使用する細隙灯(さいげきとう)顕微鏡と同等の光を作り出す機器である。スマートフォンに取り付けるだけでカメラ越しに目の観察ができ、ほぼすべての前眼部疾患の診断を可能にする。機器自体に電源は必要なく小型なため、使用場所も使用者も選ばない。眼科医以外の医療従事者が撮影した目の画像データをクラウドに上げ、それを離れた場所にいる眼科医が解析して結果を送り返す、といった使い方も可能で、これまで眼科医療が届かなかった人々にも眼科医の診断を届け、治療につなげることを可能にしている。また、スマートフォンのGPSデータを利用した疫学的な検証や、蓄積された画像データを活用した世界的にも例のない前眼部眼科疾患のAI診断などにも取り組んでいる。現在、日本国内に加え東南アジア、アフリカなど30ヵ国以上の国々で導入を進めている。

  • 写真
    (SECの外観)
  • 写真
    (ケニアの農村での活用風景)
<わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)>

 この度は栄誉ある賞を受賞させて頂き、大変嬉しく思っております。OUI Inc. の活動を通じ、世界には本当にたくさんの、治すことができる失明・視覚障害で苦しんでいる患者さんがいることを知りました。私たちのテクノロジーは、この状況を変えられる大きな可能性があると思っています。これからも、賛同して下さる仲間・国内外のパートナーの皆様と力を合わせて活動を推進していきます。引き続きご支援の程どうぞ宜しくお願い致します。

  • 活動中の集合写真
    (世界の失明を50%減らし、眼から人々の健康を守ります!)
受賞取組一覧表
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