目的

目的

共創知能機構グループの基本的な考えは,体験を通して身体イメージ・動作イメージが構築され,そのイメージを操作して他者動作の認知・模倣やシミュレーションが可能になることである.ここでは,特に,手の模倣に関するfMRI研究および自閉症児の生物的運動知覚に関する研究を基礎に,自閉症における手の模倣の行動実験を行い,模倣メカニズムとコミュニケーション機能の関係を探る.手や道具を通じた対象物操作のメカニズムを行動実験,fMRI実験,理論的研究を通して明らかにする.この過程を通じ,

(a) 手・物体のインタラクションの制御とイメージ化の脳内機構が解明されるので,対人共創知能グループにおける物体操作の認知機構モデルの神経科学的基盤を与える.

(b) 模倣学習の脳内メカニズムのモデル化が可能となり,対人共創知能グループにおける模倣機構の神経科学的基盤を与える.

(c) コミュニケーション基礎機能の脳機構解明と獲得モデルの構築が可能となり,社会的共創知能グループにおけるコミュニケーション発生モデルの神経科学的基盤を与えることなどが可能となる.

また,(d) 動作イメージ生成過程のモデル化は,身体的・対人的共創知能グループにおける動作の生成ならびに概念化の認知科学的基盤を与えることが可能である.さらに相互フィードバックにより,互いのモデルを精錬する.上記の過程で,認知発達のモデルが障害児ならびに動物における行動を説明可能と考えられる場合は,適宜その検証のための実験を実施する.