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平成19年10月
独立行政法人科学技術振興機構
6.
評価対象課題の個別評価
9自動車AV機器用簡易アダプティブアンテナの開発
企業名
:株式会社 インターエナジー
研究者(研究機関名)
:桑原 義彦(静岡大学 工学部)
1)
モデル化の概要および成果
移動中の車内で電波を受信するとフェージングや干渉性のマルチパスにより受信電界強度が低下し、通信品質が低下するという問題がある。この問題を解決するために「受信1系統で実現する低コストアダプティブアンテナ」としてFM放送向けアンテナモジュールを試作し、導入効果を静的環境において評価するとともに、走行実験により中・弱電界地域での平均受信電界強度およびVICS受信誤り率の改善を確認した。
その結果、
*静的環境では、主波と干渉性妨害波を水平面内で同時に同じ電力で送信した場合、80%以上の確率でSINR>15dBとなり、目標のSINR>10dBを達成した。
*走行実験評価では、ダイバーシチ効果としてフェージングによる受信電界強度の変動が5dB以内となり、目標の20dB以内を達成した。干渉除去効果では、平均パケット誤り率の改善が確認できた。
2)
事後評価
モデル化目標の達成度 技術内容を計画から一部変更し、応用の重点をシフトした結果、目標はほぼ達成できたと判断する。今後の課題は、地上波デジタル放送用のアンテナ、信号処理、受信評価に関する技術改良である。
知的財産権等の発生 新たな特許出願はなされていないが、実用性を高めるための出願を期待できる。
企業化開発の可能性 企業化に向けた基本技術は開発されており、実用化の可能性は相当程度期待できる。技術開発と実用化にむけた課題は残されているが克服の可能性は充分ある。
新産業及び新事業創出の期待度 新技術の特徴を生かした事業展開と社会的な効果はかなり期待できる。競争相手も少なくないので、一層の努力を期待する。
3)
評価のまとめ
柔軟な姿勢で意欲的に開発に取組み、目標もほぼ達成している。実用化と普及を目指すには更なる努力が必要ではあるものの、その可能性は高い。
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