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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 10斜面の健全度評価システムの開発

 

 

企業名

:日本物理探鑛株式会社

研究者(研究機関名)

:芦田 讓(京都大学 大学院工学研究科)他

 

1)

モデル化の概要および成果

 老朽化したモルタル吹付け法面の数は膨大となり、その健全度診断は極めて重要である。とりわけ大規模な斜面崩壊の危険性については、吹付材の背面状況と地山の風化状態の把握が重要であり、これらの調査手法には打音調査と弾性波探査が有効である。しかし、急傾斜地のためにこれらの調査が実施された事例は少ない。

本モデル化においては、弾性波探査の受振器展開と、起振・打音調査の打撃及び集音等斜面上での作業を自動化し、これら解析結果の可視化を課題とするシステムの試作を行なった。

その結果、凹凸の斜面に対する受振器設置の不具合などデータ品質確保に係る装置の改良と解析・総合的評価に専門技術者の判断を必要とすることなど、今後、適用事例を踏まえ解決すべき課題は残ったが、基本システムのモデル化は達成された。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 事前の準備がなされており、目標を概ね達成できたと判断する。実地の計測においても基本的性能は実証されている。

2

知的財産権等の発生
 特許出願はなされていないが、実用性を高めるための技術で出願を期待できる。

3

企業化開発の可能性
 企業化に向けた基本データは得られており、充分な実用化の可能性がある。実測データの蓄積、社会的認知の獲得により、公的機関による採用を図るべきである。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 継続的な技術開発と実証試験等の努力により、数年以内には新事業創出への目途が立つものと期待できる。

3)

評価のまとめ

 試作機を開発し、目標とする技術的成果が得られており、今後の実用化と普及に向けての第一歩を踏み出すことができた。普及すれば社会的な意義は大きい。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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