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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 7消化器内視鏡検査における粘膜下組織内注入非炎症性 新規マーキング材の開発

 

 

企業名

:甲陽ケミカル株式会社

研究者(研究機関名)

:若林 剛(岩手医科大学 外科学第一講座)

 

1)

モデル化の概要および成果

 消化管内視鏡検査に際し取り扱いが容易で、局所停留性に優れ、組織反応性が軽微なマーキング材料の開発を試みた。即ち、部分脱アセチル化キチン(キトサン)に炭素粉末を配合、種々の粘性流体を調製し、それらの素材の粘度、組織内注入時抵抗性、注入後組織の反応性を基礎的に検討した。

試作した材料はいずれも黒色、粘性の流体で、組織内停留性は良好であり、組織反応性は、従来品の墨汁に比較していずれもきわめて軽微であった。今般試作したマーキング材料の中には、臨床的取り扱い易さ、組織反応性の程度から、現行の墨汁に替わる優れた材料出現の可能性が期待される。また、炭素粉末の代わりに緑色色素インドシアニングリーン(ICG)を配合、外科的に肝臓腫瘍摘出時マーカーとして臨床使用が期待される新規材料開発にもつながる試作品も創作し、この知見について特許出願(国内優先権出願)を行った。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 起炎作用等一部改良点が残されているが目標は概ね達成されている。

2

知的財産権等の発生
 国内優先権出願済み。

3

企業化開発の可能性
 臨床的取り扱い易さ、組織反応性の程度から現行の墨汁に替わるマーキング材が期待でき、企業化は可能である。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 炭素粉末の代わりに緑色色素等を用いる新たな応用の可能性も見いだされ波及効果や社会的意義はあると思われる。

3)

評価のまとめ

 本マーキング材の基本物性に関する目標は概ね達成されており、今後の改良により実用化は可能と思われる。また、炭素粉末の代わりに緑色色素等を用いる新たな応用の可能性も見いだされ波及効果も期待される。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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