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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 5基準面を用いた高精度形状計測装置の開発

 

 

企業名

:株式会社 日本技術センター

研究者(研究機関名)

:森本 吉春(和歌山大学 システム工学部) 他

 

1)

モデル化の概要および成果

 ノイズや鏡面反射及び輝度の影響を受けないで高さ方向測定レンジ50mm内を3μm精度で測定できる測定装置の商品化を目標として、基準面によるキャリブレーション手法及び位相評価値の概念を導入した試作機を製作した。その結果、プロトタイプ機の課題であった

*視野150mmで高さ50mmを3μm精度で測定

*ランダムノイズや鏡面反射、対象物の色による輝度の強弱による影響を排除したデータの取得

などを解決し、段差を高精度で検出できる測定機が開発できた。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 理想的な寸法形状・条件下ではほぼ目標を達成しているものの、実用的な計算時間内で150mm角視野の測定は未達成で、当初想定された金型分野への適用を想定した装置開発課題としては、達成度はやや不足している。

2

知的財産権等の発生
 現時点での出願はなく先行技術との差別化が難しい分野であるが、ノイズフィルターに関する出願の可能性は残されている。

3

企業化開発の可能性
 使い易さを考えた装置改良が必要である。また、現状の計測水準からは金型分野への適用が難しいと判断されることから、企業化のためには、本手法の特長を活かした測定対象分野を新たに開拓することが必要不可欠と判断される。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 金型での計測技術としては活用することは、現状の技術水準では期待できない。技術的なハードルは高いものの、価格面での優位性を活かして、製品評価など新たな適用分野を開拓することが望ましい。

3)

評価のまとめ

 新しい考え方に基づく計測法と評価されるが、用途の開発に課題を残している。実現可能な測定精度、大きな測定レンジ、装置コストの低さに対応し、金型計測に限定せずに製品評価など、この方法に適した測定対象を新たに開拓し、それに合わせた装置を開発することが必要であろう。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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