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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 4高光触媒活性を持つナノ粒子酸化チタン繊維の量産化技術の開発とその適用

 

 

企業名

:山建プラント株式会社

研究者(研究機関名)

:陶山 容子(島根大学 総合理工学部)

 

1)

モデル化の概要および成果

 光触媒材料として使用されている酸化チタンは、通常、粉末および水分散体をベースにしたものが多く、繊維状にした材料はこれまで開発されていない。酸化チタンで合成される繊維は、表面積が大きく、光透過性がよく、触媒機能に優れており、また種々の加工品に適用しやすいといった利点がある。

本課題では、低価格で、安定した品質のナノ粒子酸化チタン繊維を量産化する技術を開発することを目的として開発を実施し、次のような結果を得た。

*生産量(当初目標 100g/日)について、111g/日の生産量を確保できた。

*繊維の形態(当初目標 長さ:10cm以上、幅:50〜250μm、厚さ:10〜100μm)について、平均長さ19cm、平均幅193μm、平均厚さ81μmと、目標値を達成できた。

*カラム内充填物耐圧強度について、流水試験の結果、水道水の吐出圧である0.3MPaに耐えた。

*触媒活性(当初目標 NOx分解率90%以上)について、NOx分解率100%と目標値を達成できた。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 達成された。

2

知的財産権等の発生
 期間内での特許出願はないが、将来的には、繊維の製法に関してばかりでなく利用についても特許出願が期待出来る。

3

企業化開発の可能性
 企業化開発として十分ではないが見通しはえられた。企業化にはコストの検討や生産性の向上等量産を指向した更なる検討が必要となる。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 モデル化の装置が達成でき、産業用に特化した製品を開発できれば、自動車他、広く工業分野に使用される装置となり、新しい産業分野を創出できる可能性がある。

3)

評価のまとめ

 ユニークな製法で得られる特徴ある酸化チタン繊維の量産化に関するモデル事業で、目標をクリアしたが、新たな課題も出て企業化には直結しない。しかしながら有望かつ社会的にも意義のある課題であり早期の企業化を期待する。環境設備関連分野の専門家の協力を得るのも一法であろう。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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