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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 17薬物経皮吸収型DDSの製造装置開発

 

 

企業名

:旭光精工株式会社

研究者(研究機関名)

:高田 寛治(京都薬科大学 薬学部)

 

1)

モデル化の概要および成果

 パッチ(貼布剤)タイプの自己溶解性インスリン・マイクロニードルを量産試作するための試験製造装置を製作し、同装置を用いてのマイクロニードル試作テスト並びに試作したマイクロニードルの初期評価を実施した。

マイクロニードルの基本仕様と性能は、根元直径φ100〜1000μm、高さ150〜1000μm、コーン角度80°〜20°の円錐状のマイクロニードルが30〜50本配置されたパッチタイプであること、マイクロニードル(先端も含めた型の転写性が良好という意味での)成型良品率は75%以上であること、個々のマイクロニードルの薬剤成分は含有率50%以上であること、を目標とした。

その結果、目標形状に近いレベルの成形品が得られた。しかしながら、量産を考えた場合の歩留(成形良品率)については十分でなく課題が残された。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 基本的な装置は出来たが、マイクロニードルの量産成型法などに未完成の部分がある。

2

知的財産権等の発生
 現時点での出願はないが、今後の試作テストに基づいて出願を予定している。

3

企業化開発の可能性
 成型法がまだ基礎段階であり、製造プロセスの見直しを実施し成形良品率(歩留)を向上させることが次の課題である。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 パッチタイプの薬物経皮吸収型DDSに対する需要は大きく、社会的意義は大きい。

3)

評価のまとめ

 自己溶解型マイクロニードルを量産試作するための基本的な試験製造装置は出来たが、成型法などに未完成の部分が残る。本モデル化で成型法や歩留等についていろいろな問題点が明らかになったことは一つの成果といえる。今後、装置の全自動化による生産性の向上と成形型の再検討による製品良品率の向上が鍵である。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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