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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 15遺伝子検査の標準化と臨床検査会社による実用化推進のための検査キット生産技術の開発

 

 

企業名

:株式会社 テキサスジェノミクスジャパン

研究者(研究機関名)

:小崎 健次郎(慶應義塾大学 医学部)

 

1)

モデル化の概要および成果

 遺伝子のエクソンごとにプライマーを最適に配置したマイクロプレート(キット)において、プレートウエルに配置されたプライマー(水溶液)の定量確保、化学的安定性向上をはかるためプライマー液を確実に捕捉し、十分に乾燥して化学的安定性を増す効果がある親水性の多孔性吸着材を開発し、その吸着材を使用するキットの生産性を調べて、遺伝子検査サプライサイドの整備を図った。

その結果、市販の吸着材の中から、プライマー吸着性、PCR増幅性(電気泳動評価)のもっとも高いセルロースディスクが選択された。次いでこれを使用するキットで、DHPLC(熱変性高速液体クロマトグラフ)によるPCR産物量評価を行ったところ、対照(吸着材を使用しない)と比べ、30%程度であったため、種々の観点からの検討の結果、四半分のデスクで60%の回復を見た。また、このものを使用するキットにより、15疾患×33陽性検体テストを行い、すべての検体で遺伝子変異を検出することが出来た。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 多孔質材の選定、キットの感度について達成度が低く、基本的な問題が解決されていない。

2

知的財産権等の発生
 現時点での出願はない。

3

企業化開発の可能性
 期待したキットの感度や特異性が達成しておらず、企業化への可能性に課題を残している。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 基本的問題が解決され、目標が達成できれば新産業創出への期待は大きい。

3)

評価のまとめ

 キット化には成功し一応の成果を得たが、基本的な問題(多孔質のプライマーの吸着・感度、PCR酵素への影響)など抜本的な見直しが必要である。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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