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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 14 「乳がんホルモン療法効果予知診断」キットの開発

 

 

企業名

:株式会社 ガルファーマ

研究者(研究機関名)

:河野 範男(東京医科大学 第3外科) 他

 

1)

モデル化の概要および成果

 乳がん再発防止のための術後補助療法としてタモキシフェンを用いたホルモン療法が行われている。しかし、乳がん細胞にメニン蛋白質が存在すると、エストロゲンレセプターと結合してタモキシフェンの効果を阻害することが判明した。そこで本モデル化では、メニン蛋白質を検出できるキットを作製し、乳がんホルモン療法効果予知診断としての有効性の確認を目指した。その結果、プロトタイプキットの作成と乳がん69 症例の解析結果より、メニン蛋白質がタモキシフェン効果予知因子であること、さらには従来のタモキシフェン効果予知因子(エストロゲンレセプター等)より優れた因子であることを証明した。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 プロトタイプキット(免疫染色)の作製は達成されたが、臨床症例での検討がまだ十分ではない。

2

知的財産権等の発生
 独創モデル化実施期間内の出願はない。

3

企業化開発の可能性
 臨床例の追加で、より正確な診断法としての確認ができれば、企業化の見通しが得られる可能性はある。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 乳がん再発防止の指標として社会的意義が期待される。しかし、診断基準の明確化と、本法の臨床有効性の確認が求められる。

3)

評価のまとめ

 独創モデル化目標として、プロトタイプキットの作製は達成され、その過程で新規の知見が得られている。症例数の増加、診断基準の明確化が達成できれば企業化開発に結びつく可能性がある。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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