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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 13 ナノファイバーを利用した高触媒機能をもつ高性能フィルターの開発

 

 

企業名

:株式会社 SNT

研究者(研究機関名)

:白鳥 世明(慶應義塾大学 理工学部)

 

1)

モデル化の概要および成果

 環境保全、環境浄化に対する関心が高まっている時代背景の中、本モデル化事業により、ナノファイバーを利用した高触媒機能をもつ高性能フィルターの開発を目指した。これらを試作するための、触媒製造装置及びナノファイバー製造装置を開発した。

その結果、

*「触媒製造装置のスケールアップ」は、目標とする処理量100g/週を実現した。

*「ナノファイバー製造装置のスケールアップ」は、当初目標100ノズルには至らなかったものの幅120cm、ノズル数96本を実現した。

*「フィルター試作品」は、ナノファイバー製造装置でのフィルター製作は出来なかったが、従来の吐出条件(吐出口1本)で触媒担持型ナノファイバーを試作・評価した結果、目標性能の硫化物ガス除去効率90%を確認した。

以上により、硫化水素や亜硫酸ガスを、常温で効率的に除去できるナノファイバーの産業応用を目的とする用途別サンプルが出荷可能な環境を構築した。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 試作フィルターによる清浄は目標をほぼ達成したが、本課題の根幹ともいえるファイバー製作のスケールアップによる空気清浄フィルターの作製ついては本モデル化期間の9ヶ月間では達成されなかった。

2

知的財産権等の発生
 1件の特許出願があった。

3

企業化開発の可能性
 企業化開発の見通しが検討出来るようなデータは得られていないが、今後の研究開発により得られることが期待される。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 社会的にも求められている空気清浄化を目的とする課題あり、意義は十分にある。

3)

評価のまとめ

 ファイバー製造装置のスケールアップによるファイバーの生産については達成されず課題を残したが、空気清浄化の装置開発は社会的にも求められている課題であり本モデル化から得られた知見を活かした継続的な事業化の努力を期待する。その際には他の方法の検討や異分野からの協力を求める事も有効であろう。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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