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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 12半導体ナノ粒子の光化学的構造制御による新規機能材料の開発

 

 

企業名

:神戸天然物化学株式会社

研究者(研究機関名)

:桑畑 進(大阪大学 大学院工学研究科)他

 

1)

モデル化の概要および成果

 本課題は光エッチング技術と有機合成技術を融合し、粒径を制御した半導体ナノ粒子を大量に製造する技術を確立させるものである。この半導体ナノ粒子は、バイオマーカーとして使用、あるいは、またナノ粒子内部に空隙を、また外郭に開口部を有する構造(ジングルベル型構造)を利用することにより、高機能触媒としての利用も期待できる。 

その結果、

*光エッチング法による工業化は、キセノンランプ使用による量産条件の最適化ができたと判断できるが、波長フィルターの検討が今後の課題として残った。

*バイオマーカーとしての評価については表面修飾の最適化が十分検討できなかった。

*ジングルベル型ナノ粒子については、触媒の反応特異性データは得られたが、これを安価に生産できる技術開発は難航し、商品化には、いくつかの技術障壁を越える必要がある。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 フィルターの劣化で、目標の発色数を達成できていない。光還元触媒としての機能は確認されている。またジングルベル構造体の生産技術の確立もできていない。

2

知的財産権等の発生
 現段階では特許等の出願はされていない。今後開発がうまく進み、実用段階に入ることができれば、特許が生まれることは期待できる。

3

企業化開発の可能性
 まずは工業的生産技術の確立が第一である。生産ができるようになれば、バイオマーカーなどからビジネスを始めることは可能と考えられる。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 新産業、新事業創出として大きく発展するには、新しい光デバイスなどアプリケーションの開発が必要で、今後こちらに大きな力を注ぐ必要がある。

3)

評価のまとめ

 開発プロジェクトの進め方は正統で、ナノ粒子の基本的な機能の確認がされ、生産方法の基本的なコンセプトは確認された。しかし、フィルターの劣化などトラブルで、成果は限定的なものしか出ていない。

今後、新産業として発展するには、より専門的な技術者による生産装置の開発とともに、応用分野の開発に大きな努力を注ぐことが求められるだろう。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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