JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

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SCENARIO 社会課題の解決を目指して

みんなの意見が反映される社会をファシリテーションAIで実現

2023年03月29日

シナリオを描く

  • 主催:

    東京大学大学院総合文化研究科 准教授 馬場雪乃

解くべき課題

◆影響力のある人の意見に全体が引きずられることがある。
◆みんなの前で発言しづらい人もいる。
◆一部の立場の意見しか反映されず、残りの意見が見逃されてしまう。

取組のポイント

◆集団での問題解決を支援するために、多様な意見を引き出し、合意形成をサポートするファシリテーションAIアプリを実装
・プロのファシリテーターの代わりに、AIが客観的なファシリテーションを支援する。
・多様な重要意見をAIが発見し、各自の潜在的な観点についての気づきを与える。

取組内容

◆ファシリテーションAIのプロトタイプを実装
・参加者各自が意見を入力する。
・参加者各自が他の人の意見の評価を行う。
・評価を利用して、各自の潜在的な観点に配慮した上で、AIが多様な重要意見を発見する。

◆高校1年生のクラスで実証実験を実施
・クラスの困り事(「グループワークで仕事をしない人がいる」)を題材にしてファシリテーションAIの効果を検証。
・ファシリテーションAIを使わずに、議論のみで解決策を決めたグループでは、グループワークに積極的な人の意見が重視され、「仕事をしない人にどうやって仕事をさせるか」という議論になった。
・ファシリテーションAIを使うグループには、AIが発見した重要意見を提示した上で、解決策を議論で決めてもらった。グループワークに積極的に取り組まない(取り組めない)人の意見も反映され、「何でも言い合える関係を作るにはどうしたらいいか」という議論になった。
・ファシリテーションAIを使うことで、様々な立場の意見が反映されることが確認できた。

◆ファシリテーションAIに求める機能の検討
・「困り事」の発見や、議論における「問い」の具体化や変化にも対応する。
・議論の最初にAIを使うだけではなく、途中でもAIを使うことで、発言者と意見を切り離したり、意見を冷静に俯瞰するできるようにするなどm議論のワークフロー設計も支援する。
・意見の多様性の可視化などを通じて、民主主義教育にも役立てる。

シナリオの関係者

小林 野渉(NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ / 株式会社はじまり商店街)
田村 裕俊(株式会社博報堂)
三塚 平(かえつ有明中高等学校)
光成 章(ジャートム株式会社)
有福 英幸(株式会社フューチャーセッションズ)
松田 共代(コーディネーター/ハーチ株式会社)
高橋 麻美(科学コミュニケーター/元日本科学未来館)

シナリオの出どころ

関連リンク

関連情報

「ファシリテーション AI」に関する情報
「集団意思決定」に関する情報
「協調問題解決」に関する情報

お問い合わせ先

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