JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

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SCENARIO 社会課題の解決を目指して

アルゴリズムで世の中を公平に

2022年03月28日

シナリオを描く

  • 主催:

    国立情報学研究所 情報学プリンシプル研究系 助教 五十嵐歩美

解くべき課題

◆様々なモノ・コトの分配における不公平感を減らす
◆当事者達の価値観を反映した納得感のある分配を実現する
◆公平性の高い分配を提案することを通じて、できる限りすべての人を幸せにする

取組のポイント

◆メンバー全員が納得できる分配を実現するために「分配の公平性・効率性」と「分配をもとにした建設的な話し合い」が必要であると考え、以下の要素を搭載したアプリケーションの開発を行う
・他者への分配に妬みの起こらない状況を公平と定義し、個々の幸福度ができるだけ高くなるようにする
・個々の好みや得意度合いを反映し、全体の効率性ができるだけ上がるようにする
・時間、量などの客観性のある指標と、好みなどの価値観を定量化した指標を計算に組み込む
・計算結果を元にした建設的な話し合いが起こることを促す
・自ら率先してタスクを達成したくなる工夫や、ミスをしたときの挽回に役立つ機能により、タスク実行中に起こる不満感を解消する

◆1dayハッカソン「ソーシャルハックデー(Social Hack Day)」の活用
・Code for Japanが開催する1dayハッカソン「Social Hack Day -ソーシャルハックデー」に本企画を持ち込み、アプリのプロトタイピングを行う

取組内容

◆社会実装の第一歩「家事分担アプリ」製作
・研究を進めるためのフィードバックが得やすいように、対象となる人々の多い「家事分担」に取り組む。
・家庭やグループの各メンバーが、家事の得意さ(好み)やその家事にかかる時間などの情報を入力し、それをもとに公平な家事の割り振りを提案するアプリを製作する。
・新生活を始めるタイミングやシェアハウスなど、これから関係性を構築していくコミュニティでの利用を想定する。
・アルゴリズムが提示するのは「提案」であり、メンバー間での建設的な話し合いを促進するためのきっかけとなることが、本アプリの目的である。

◆家事を前向きに捉え、分担後に生まれる不満をサポートするためのアイデア
・ゲーム化の活用で、家事を実行することへの達成感を得る
 例:複数の家事をこなすとコンボになりポイントが増える
・実行した家事における小さな成長の見える化と、承認によるモチベーション向上
 例:ロボット・マスコット的な存在が褒めてくれる、他者が行った家事通知が届き、イイネを送れる
・割り当てられた家事を「できなかった」、「代わりにやった」時に生まれがちな不満を軽減する
 例:メンバー内の“貸し”“借り”を数値化してやり取りできる
・他者が行った家事を通知することで、同じ家事を二重にやってしまうことを防止する

シナリオの関係者

井尻恵也(KDDI株式会社)
大和田優(日産自動車株式会社)
武貞真未(Code for Japan)
遠山梢(東洋製罐グループ)
山本朋範
渡邉慎也(KDDI総合研究所)
小島弘久(コーディネーター/ハーチ株式会社)
熊谷香菜子(科学コミュニケーター/元日本科学未来館)

シナリオの出どころ

関連情報

「家事」に関する情報
「Social Hack Day」に関する情報
「家事分担」に関する情報

お問い合わせ先

https://chance-network.jp/#contact

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