「培養肉」で食の世界に革命を起こす
2020年12月08日
- 主催:
東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻 生産技術研究所(兼務)教授 竹内昌治氏
解くべき課題
◆世界人口の増加による食料問題
◆家畜の生産による環境負荷
◆食の安全性
◆食肉の廃棄
取組のポイント
◆本物の肉の代用品として注目される培養肉の研究
◆筋肉の3次元構造を再現したサイコロステーキ状の培養肉を開発
◆培養肉の研究には再生医療の知見が寄与するため、再生医療の研究者や企業と連携
取組内容
◆3次元構造の培養肉の開発
・世界中で研究されている培養肉の主流はミンチ状の肉。
・東京大学大学院情報理工学系研究科の竹内昌治教授の研究チームは3次元構造を再現した培養肉を開発。
・従来は難しいとされていた筋肉の繊維状の組織(サルコメア)の再現に成功。
・2019年3月に世界初の「サイコロステーキ状の培養肉」として発表。
・今後の目標は100gのステーキ肉の実現。
・食用として受け入れてもらうために味や食感の再現を追求。そのために血管や脂肪などの再現も目指す。
◆再生医療の知見を培養肉の研究に応用
・1990年代から再生医療の分野で盛んに研究されてきた、体外で細胞から組織を作る「ティッシュエンジニアリング」と呼ばれる技術を培養肉に応用。
◆体外で立体的な組織を作る研究は、食用だけでなく創薬分野での利用も期待されている
・薬の開発には膨大なコストが必要となるため、人の細胞から作った立体組織で薬効をテストすれば、コストも倫理的な問題もクリアできる可能性がある。
シナリオの関係者
東京大学大学院情報理工学系研究科知能機械情報学専攻 生産技術研究所(兼務)教授 竹内昌治氏
オランダ・マーストリヒト大学 教授 マーク・ポスト博士