JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

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SCENARIO 社会課題の解決を目指して

健全な水循環社会の実現を目指す

2019年10月21日

シナリオを描く

  • 主催:

    琉球大学、沖縄県

  • 開催日:2018年2月 4日 ~2018年2月 4日

解くべき課題

◆沖縄の島じまでは、近年の居住・観光人口の増加に伴って土地利用が進み、地下⽔や湧き水の塩⽔化・枯渇化,飲み水用水源の⽔質悪化,農業用水や観光⽤水の不⾜、水質悪化による生き物や農作物への悪影響など、さまざまな問題が起きている。

取組のポイント

◆科学技術振興機構(JST)の科学技術コミュニケーション推進事業・未来共創イノベーション活動支援に採択された「水の環」プロジェクトの企画協力によるシンポジウムが開催された。
◆水問題に関わる産学官民の各ステークホルダーや高校生・大学生といった次世代を担う若者が参加し、水循環に関して沖縄の島々が抱える問題や解決方法などを提示。地域課題の解決についてさまざまなアイデアを出し合った。

取組内容

◆琉球大学・沖縄県共催のシンポジウム「SDGs × 沖縄・島じまの挑戦 2018」が開催され、産学官それぞれの視点で「水」に関する現状の問題認識や将来への危惧と、その解決策を発表し、ディスカッションするプログラムが組まれた。参加者間において、SDGsで言われる循環型社会を実現するため、産学官民が一体となって進めていくことの必要性が共有された。
・国際連合大学上級副学長の沖大幹氏は「~水と持続可能な開発~」と題して基調講演を実施。平成26年に制定された「水循環基本法」に触れ、「統合的な流域の管理や国際的な水循環に関する協調の重要性が明示された」ことを紹介した。
・沖縄県企業局配水管理課計画班長の石原祥之氏は自治体の取り組みとして、沖縄本島や離島での水道の概況(水量・水質・経済(価格)的な差)と課題解決のための計画を紹介した。
・ワイズグローバルビジョン株式会社取締役会長兼CTOの大嶺光雄氏は、企業の取り組みとして小型の海水淡水化装置に関する開発・導入事例を紹介した。
・沖縄県立八重山農林高等学校教論の前里和洋氏は市民や教育側の取り組みとして、地下水の水質保全のために有機肥料の開発に取り組んだ事例紹介と次世代人材の育成支援の必要性について言及した。
・琉球大学理学部教授の新城竜一氏は大学の取組事例として、①基礎研究、②応用開発、③地域を巻き込んだ活動を柱とした「水の環でつなげる南の島のくらし」プロジェクトの概要と活動を紹介した。
・最後に実施されたステークホルダーミーティングでは、会場から回収された質問に対して登壇者が回答を行う形で実施され、各取り組みについての内容の深掘りが行われた。

議論の参加者

・国際連合大学上級副学長 沖大幹氏
・沖縄県企業局配水管理課計画班長 石原祥之氏
・ワイズグローバルビジョン株式会社取締役会長兼CTO 大嶺光雄氏
・沖縄県立八重山農林高等学校教論 前里和洋氏
・琉球大学理学部教授 新城竜一氏
・科学技術振興機構「科学と社会」推進部部長 柴田孝博氏
・東京海洋大学海洋科学部教授 川辺みどり氏
・琉球大学理事・副学長 西田睦氏
・琉球大学農学部助教 安元純氏
・沖縄県企画部地域・離島課副参事 宮里健氏
(所属・役職は2018年2月時点)

関連情報

「水循環」に関する情報
「水不足」に関する情報
「塩水化」に関する情報

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