事業成果

オープンサイエンスの促進

情報基盤強化と日本の研究成果の発信2026年度更新

情報事業全体図

JSTの情報サービス一覧
※JSTの作成データを活用した情報サービス((株)ジー・サーチによる有料サービス)

JST情報事業は、研究開発に必要な科学技術情報(論文、特許および研究データ等の研究成果、研究者、研究機関等の情報)の収集・体系化・利用の仕組みづくり等を通じて、新しい知の発掘、イノベーション創出、課題解決への貢献を目指している。

さまざまな情報をつなぎ、分野や業種の垣根を越えた情報収集を可能にする科学技術情報統合検索サービスや分析サービス等を提供し、研究開発を情報面から支援する事業を展開している。

公的資金研究データリポジトリGRANTS Data、サービス提供開始

GRANTS Data_トップ画面

近年、研究成果論文の再現性向上や研究データの利活用促進、日本の研究発信力強化といった観点から、研究データのオープン化が求められている。しかし、研究機関の中には、研究データを適切に公開できる機関リポジトリ(注1)環境が十分に整備されていない場合もあり、研究成果を社会に還元するための仕組みづくりが課題となっていた。

このような状況を受け、令和7年11月に、公的資金で得られた研究データの公開・利活用を促進するため、新たなサービス「公的資金研究データリポジトリ(GRANTS Data)」(https://grantsdata.jst.go.jp/)をリリースした。

GRANTS Dataでは、登録された研究データに対して、ジャパンリンクセンター(JaLC)を通じてDOI(注2)を付与している。併せて、国立情報学研究所が運営するNII Research Data Cloudと連携しており、CiNii Researchから検索することができる。また、GRANTS Dataは世界で広く利用されているデータ公開プラットフォーム「Figshare」を採用しているため、Figshare上でも検索が可能である。

さらに、GRANTS Dataには以下のような特徴があり、これらの特徴を活用することにより、公的資金による研究データの公開と利活用が一層進むことが期待される。

  • 内閣府が定めるメタデータ共通項目(注3)に準拠
  • CCライセンスの表示義務など、FAIR原則(注4)に対応
  • 学術分野を問わず、多様な形式のデータを登録可能
  • 利用容量は最大20GBまで段階的に拡張可能
  • 公開データは付与されたCCライセンスの範囲で利用可能
GRANTS Dataイメージ図

注1機関リポジトリは、研究開発を行う機関が管理する電子的な研究成果を保存し、インターネット上で公開・発信するためのアーカイブシステム。

注2DOIは、「Digital Object Identifier」の略称で、論文や研究データなどのインターネット上の電子化されたコンテンツに付与される国際的な識別子。コンテンツが移動して URL が変わっても、永続的にリンク切れを防ぎ、常にコンテンツへアクセスできることを保証する仕組み。

注3メタデータ共通項目は、「公的資金による研究データの管理・利活用に関する基本的な考え方」(2021年4 月統合イノベーション戦略推進会議決定)において、日本の公的資金で得られた研究データ に用いられるべきと定められたメタデータ項目である。
(出典:https://www8.cao.go.jp/cstp/common_metadata_elements.pdf

注4FAIR 原則は、Findable(見つけられる)、Accessible(アクセスできる)、Interoperable(相互運用できる)、 Reusable(再利用できる)の略で、データ公開の適切な実施方法を示す原則。
(出典:https://biosciencedbc.jp/about-us/report/fair-data-principle/

オープンサイエンスの総合的な推進

査読前論文の公開プラットフォームであるプレプリントサーバ「Jxiv(ジェイカイブ)」(2022年3月に開始)では、外部専門家によるスクリーニング体制を強化し、JST内外ファンド事業制度利用研究者、大学や研究機関の研究者、J-STAGE利用機関関係者を対象とした説明会等のさまざまな広報に努めた。幅広い分野の投稿があり、公開論文数が2025年12月31日時点で791報(英356報、日本語435報)に達した。

また、日本唯一のDOI(電子コンテンツの国際識別子)登録機関であるジャパンリンクセンター「JaLC(ジャルク)」は、2012年の設立以来、利用を増やし2025年に登録件数1400万件を超えた。うち研究データの登録は、2026年1月時点ではのべ200万件を超えていて、データ共有への寄与が期待される。また、研究データのDOI登録促進を目的に、2024年6月に9年ぶりに「研究データへのDOI登録ガイドライン」改定版を公開している。

内閣府の即時オープンアクセス政策が進む中で、このような我が国のインフラ面の基盤拡充を図る取り組みを行うとともに、JSTの研究プロジェクトの成果論文や研究データの扱いを定めたJSTのオープンサイエンス基本方針を政策に基づき改定するなど、インフラとファンディングの両面でオープンサイエンスを推進した。

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J-GLOBAL収録データの拡充およびOpenAlex連携による研究成果論文のオープンアクセス化推進

J-GLOBALロゴマーク

J-GLOBALは、国内外の文献や研究課題、特許など9種類の科学技術の基本情報の横断検索を実現したオンライン情報検索サービスである。2009年よりサービスを開始し、データを収録し続けてきた。近年は毎年300万件以上の新規データが追加され、2026年1月末には基本情報の総数が9,000万件を突破し、中でも文献情報は7,000万件を越えた。なお、2024年度の利用件数は5,100万件を上回っている。

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さらに、2024年度より、内閣府の研究成果のオープンアクセスの推進政策に対応すべく、OpenAlex(Unpaywall)(注1)との連携を開始し、収録データの基本情報からのオープンアクセス論文(以下、「OA論文」という)リンク取得を強化し、2024年度末に9,015,274件追加した。

具体的に、基本情報「文献」の詳細画面の右側の「全文情報」に、「OpenAccess (閲覧無料)」というアイコンが表示されている場合、オープンアクセス論文の全文が無料で閲覧できる。

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2024年以降も、OpenAlexより取得したOA論文のリンク数が順調に推移し、2025年12月末時点で1,000万件を超えた。J-GLOBALはサービス提供を通じ、OA論文の利活用を推進し、研究成果のオープンアクセス化に大きく寄与している。

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*DIAMONDは、2025年度以降の区分

注1OpenAlex(Unpaywall)は、学術研究成果のオープン化を目的とする米国の非営利団体OurResearchによって運営されている、世界中の学術文献に関するメタデータおよびオープンアクセス情報を集約・提供するデータベース。

注2OA区分はOpenAlex(Unpaywall)における下記通りの独自の定義に基づく。

  • DIAMOND:DOAJ(世界中の オープンアクセス(OA)ジャーナル を集めたオンラインディレクトリ)に登録、またはOAと判断された完全OAジャーナルに掲載。
  • GOLD: 完全OAジャーナルに掲載。
  • GREEN: 出版社ページは有料だが、OAリポジトリに無料コピーあり。
  • HYBRID: 有料ジャーナル内でオープンライセンスにより無料公開。
  • BRONZE: 出版社のウェブサイトでは無料で読めるが、再利用に関するライセンスが明示されていない。

(出典:https://help.openalex.org/hc/en-us/articles/24347035046295-Open-Access-OA)