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マネジメントの現場から

2014年8月2日(金)  サイトビジット(成本プロジェクト)報告

 平成24年度に採択された成本プロジェクト「認知症高齢者の医療選択をサポートするシステムの開発」の3回目のサイトビジットを実施しました(於:京都府宮津市)。これまでのサイトビジットはこちら(第1回サイトビジット第2回サイトビジット)。

 成本プロジェクトでは、本人の同意能力の程度によって、適切な意思決定を引き出すためのツールの開発に取り組んでいただいています。今回のサイトビジットでは、京丹後地区の宮津市で開催される「夏の認知症セミナー(京都府丹後保健所主催)」に参加しました。京丹後地区は高齢化率が30 %を超えると同時に、医療資源も乏しい地域です。今後、地域の中で安心して暮らせるよう、意思決定のあり方が大切になってくる地域と言えます。
 「夏の認知症セミナー」は市民・医療・福祉などの多彩な方が200名以上参加されていました。地元の弥栄病院の北岡医師によるサックス演奏から始まり、秋山先生が開会の挨拶を行いました。続いて、成本先生から「自分らしく生きる、自分らしく老いるために~丹後地域の調査から見えてきたこと~」と題し、プロジェクトの取り組みも含め、事前に家族で話し合うことの難しさと大切さについて、ご報告がありました。
 その後のパネルディスカッション「認知症になっても安心して生活するために~知っておきたい医療・介護のこと、お金のこと~」では、認知症の人と家族の会 京都府支部の代表の方や京都銀行の方、司法書士の方を交え、活発な議論がなされました。本領域内でのプロジェクトとしては医療選択に焦点を当てて検討を進めていますが、別のプロジェクトにて高齢者の日常生活を途切れなくサポートするための技術開発にも取り組まれております(関連ホームページはこちら)。討論をお聞きして、本人の意思を尊重した生活を支えるには、医療選択に加え、財産管理や日々の見守りなど、きめ細かい視点が大切だと再確認できました。


成本先生のご講演 パネルディスカッションの様子


コメントされる永田ADと袖井AD。

 セミナー後は、プロジェクトとの意見交換を行い、ツールの評価も踏まえ、今後の展開に関して議論しました。
 成本プロジェクトで検討を進めていた「同意能力を判断するツール」と「意思決定に至るまでのプロセスモデル」、「認知症高齢者から意思を引き出すコツ」などから得られた知見を適切に伝えるために、医療福祉関係者向けに出すマニュアルと、患者・家族・市民向けのガイドを提出いただけるとのご報告をいただきました(2015年4月現在、こちらに試行版が公開されています)。ツールを如何に活用すればよいか、認知症ご本人の意思が尊重されていることをどう評価すればよいかなど、活発な意見交換を行いました。
 翌日も、成本先生との意見交換が続きました。「弥栄のように住民と、在宅支援チームと院内チームが意識を共通に持ってやることは、他では難しい」との成本先生のコメントは難しくも、大切な視点を投げかけているように感じました。
 マニュアル・ガイドの活用方法も含めて検討いただけるとのことで、意思決定支援のあり方に対して重要なソリューションのひとつを提示してくれるものと、再確認できたサイトビジットとなりました。


成本プロジェクトの加藤先生から進捗状況の説明を受けました。右は会場からの風景

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